マンション単価相場

不動産データベース「レインズ」に登録済みの物件について価格と戸数を月単位でまとめている情報サイト「「レインズマーケットインフォメーション」」を見てみると、2021年10月～12月に東京都練馬区で取引された中古マンションの成約㎡単価は約63.8万円/㎡という結果に。

この結果は、同期間における城北地区(文京区・豊島区・北区・板橋区・練馬区)で取引された中古マンションの成約㎡単価約80.6万円/㎡と比べた場合、練馬区は近隣エリアよりも成約㎡単価の相場が低いエリアだということがわかります。

また、その他の比較対象として、城西地区(新宿区・渋谷区・杉並区・中野区)で取引された中古マンションの成約㎡単価約107.0万円/㎡と比較した場合、練馬区は大幅に下回るエリアになっています。

23区内における練馬区の相場は「真ん中より下」というエリアです。

城北地区(文京区・豊島区・北区・板橋区・練馬区)では2021年10月～12月の期間で757件の中古マンション取引が行われ、そのうち練馬区は178件(約24％)の取引が行われました。

城北地区の中古マンション市場に関しては、4月・5月の取引件数は前年比よりも大幅に上回る結果になったものの、6月以降の取引件数は前年比を下回り続けました。しかし、12月はコロナ感染者数が少し落ち着いた影響もあって前年比の+40.5%を記録し、回復の兆しをみせています。

練馬区のエリア別市況

練馬区は板橋区と杉並区、埼玉県和光市に隣接するエリアです。都内中心部からやや離れているため落ち着いた雰囲気で、ショッピングモールなどの商業施設もあることからファミリー層にも人気の街です。

練馬区におけるエリア別の中古マンション市況としては、東大泉や氷川台あたりのエリアでは成約単価の相場は高めに形成されており、中には成約単価100万円/㎡を超える中古マンション取引も行われています。

23区内において練馬区の成約単価は真ん中より下と紹介しましたが、成約単価自体の変動は少なく安定しているエリアと言えます。

農地宅地化の影響を受ける可能性

今後における練馬区の住宅市場は、1992年に制定された生産緑地法という法律の影響を受ける可能性が高いです。生産緑地法は「農業を30年間継続する土地は税制の優遇が受けられる」という内容のもので、30年後の今年2022年に終了することになります。

練馬区は23区内においても生産緑地が大きいという地域特性を持ち、税制の優遇が受けられなくなったこれらの農地が一斉に売り出される場合、農地から宅地化として住宅市場に影響を及ぼす可能性があります。

農地から宅地化されたエリアに戸建住宅街やマンションなどの新築物件の開発が進むと、新築を好む傾向の強い日本ではそちらに市場が流れ、中古マンションなどの古い物件は需要が下がりマンション価格にマイナスの影響が出ることでしょう。

そのため、大規模な農地宅地化が進む前の売却がポイントだと言えます。

しかし、練馬区は世田谷区につぐ2番目の人口の多いエリアで、今後も人口の増加が予想される街です。仮に宅地化が進み新築物件が増えたとしてもエリアへの人口流入が多ければ住宅需要が高まり、新築物件だけではなく中古マンションの人気も上昇する可能性が考えられます。

信頼できる不動産会社を見つける

マンション査定を受ける際は、1社ではなく複数の不動産会社から査定を取るようにしましょう。その理由としては、査定内容には不動産会社によって差があり、マンションの査定価格にも影響することがあるからです。

複数の不動産会社の査定内容を聞いて相場を把握し、さらに不動産会社ごとの査定根拠を聞いて適正な評価を出しているような信頼できる不動産会社を見つけることが大切です。