戸建ては築◯年で価値が無くなる?知っておきたい家の売り時
高く売るために「売り時」の見極めが重要なのは、実はマンションよりも戸建て住宅のほう。戸建て住宅の不動産価値と築年数の関係性は、マンションよりも顕著に反映されるからです。
今回は、戸建ての価値の下落と売り時について解説していきます。
目次
戸建ての建物価値は「築年数20年」でほぼゼロ
不動産売却では、需要の高さや市場価格に直結する”個別的な要因”が重要。戸建て住宅なら、個別的要因の中でも「築年数」が売却価格や売りやすさに大きく影響します。
なぜなら、戸建て住宅は築年数20年で“建物価値がほとんどゼロになる”とされているからです。
もちろん、築年数はマンション売却の場合にも売却価格に影響します。しかし、築20年のマンションは価値が低くなるだけでゼロになるわけではありません。なぜこのような差があるのでしょうか?
戸建てとマンションの建物価値の差
戸建てとマンションの間に発生する建物価値の差には、建築資材や建築工法が関係しています。
一般的にマンションは「鉄筋鉄骨」で耐久性等が優れていますが、戸建て住宅は「木造」が主流であり、木造住宅の耐用年数は「22年」と定められていることが大きく関係しているのです。
そのため、戸建て住宅の売却は「築年数20年」が資産価値のボーダーラインだと言えるでしょう。
これは戸建て売却の査定にあたって建物価値がゼロと評価される傾向があるだけであり、戸建て住宅の寿命が20年ということではありません。
築年数ごとの戸建て住宅の価値推移
では、戸建て住宅の価値推移はどのように変動していくのでしょうか。築年数ごとに確認してみましょう。
築10年未満
戸建ての「木造」とマンションの「鉄筋鉄骨」では耐用年数が異なることから、戸建て住宅のほうが築年数経過による価値の下落が大きくなります。
築10年の戸建て住宅の価値は、購入当時の5割ほどまで落ち込みます。ただ、築10年未満の戸建て住宅は市場的にも需要が高く、立地や工法次第では価値の下落が少ないとされています。
築15年前後
築15年を経過したあたりの戸建て住宅の価値は一気に低下し、その価値は購入当時の2割前後まで下がる傾向があります。
とは言え、市場に流通する戸建て住宅は築15年前後のものが多いため、売却価格は低くなりますが需要はまだまだ期待できる年数です。
築20年超
冒頭でもお伝えした通り、木造住宅の耐用年数との関係上、築20年を経過した戸建て住宅の建物価値はほとんどゼロと評価されます。
そのため、売却価格は“土地”の価値が占める割合が高く、買い手も建物の取り壊しを前提として購入するケースが増えます。
場合によっては、売り出し前に建物を取り壊して「更地」とするほうが買い手が見つかりやすくなるかもしれません。
築20年超の物件では特例や控除が適用されない
築20年を超えた木造の物件は価値が下がるだけではなく、様々な特例や控除が適用できなくなります。
買い手にとっては不利な売買となり、必然的に買い手が見つからない状況になると予想されます。
住宅ローン特別控除
築20年を超えた物件で適用できない特例の一つが「住宅ローン特別控除」です。
住宅ローン特別控除の適用時は数十万~百万円という単位の控除が期待できるため、この控除を適用できない影響による買い手の減少が予想されます。
登録免許税や不動産取得税の特例
不動産の購入時には、登録免許税や不動産取得税のような税金が発生しますが、特定の条件を満たすことにより大きな控除となる特例を適用できます。
登録免許税や不動産取得税の特例を受けるためには木造物件の場合では築20年未満と定められているため、買い手は税制上の負担が大きくなってしまいます。
たとえ軽減措置が適用可能な築20年未満の木造住宅であっても、建てられた時期に応じて控除額が減っていきます。税制面から見ても、買い手側からすれば築年数が経過すればするほど物件を購入するメリットが少なくなるのです。
築20年超の戸建てに特例を適用する方法
特例の適用ができず買い手に不利な売買となれば、同時に売り手にも戸建てを売却できない不利が生じます。
ただし、これらの軽減措置の特例は、「現行の建築基準法を満たす証明」または既存住宅売買瑕疵保険の「保険付保証明書」があれば、築年数の制限に関係なく適用することができます。
築20年を超えている戸建て住宅を売却する際は、「現行の建築基準法を満たしているかどうか」ということが売却のポイントになるでしょう。
まとめ
戸建て住宅の売却に関しては、「築年数」という要因がマンションの場合よりも大きく影響してきます。
売却を検討している住宅の築年数が「15年前後」であれば、1年でも早く売るべきだと言えます。
中古住宅の需要が高まりつつありますが、戸建て住宅の売却はあらゆる要因を加味する必要性があるので慎重に行っていきましょう。
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