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路線価とは?不動産査定額の適正度を判断する方法

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路線価とは?不動産査定額の適正度を判断する方法

不動産が実際に取引された価格(実勢価格)に影響を及ぼし、仲介会社の物件査定の基準としても使われる路線価。不動産の売却を考えている人なら、路線価が実際の取引価格や物件の査定額にどのような影響を与えて、どう関連しているのか知っておきたいところです。

今回は、路線価と不動産の査定額の関連性について解説します。

路線価とは?

路線価とは?

路線価とは、1㎡当たりの宅地の評価額のことで、道路に面している宅地を評価した価格です。

毎年8月頃に国税庁から発表されていて、主に利用されるのは相続税の課税額の算出です。そのため、相続税評価額と呼ばれることもあります。路線価は、実勢価格や地価公示、不動産鑑定評価を元に決定されます。

路線価と地価公示価格の違い

よく聞かれるのが路線価と地価公示価格の違いです。この二つの価格は、似ているようでそもそもの算出目的が違います。

全国調査を行い土地価格の指標として発表されるのが地価公示なのに対し、路線価は相続税・贈与税の課税額を算出する為に使われる物です。路線価は土地1㎡当たりの単位評価額なので、路線価に土地面積を掛ければ相続税額が分かります。

路線価と公示地価は全く別の目的で作られた指標ですが、その価格には関連性があります。地価公示価格に0.8を掛けると、路線価とおおよそ同じになります。路線価より地価公示価格の方が先に発表されるので、地価公示価格から路線価を予測することも可能です。

このように書くと、路線価は不動産価格の査定において何の役にも立ちそうにありませんが、路線価は地価公示と比べて調査地点が圧倒的に多いというメリットがあります。つまり、地価公示が公表されていないエリアでも、路線価から地価公示価格を推測することができるのです。

不動産の実勢価格

不動産の実勢価格

なぜ不動産取引において路線価や地価公示価格といった指標が必要になるかと言うと、不動産の取引価格は実勢価格だからです。

不動産の実勢価格とは、売主と買主が合意して実際に取引された過去の価格の実績を言います。この過去の不動産実勢価格を元に、相場が形成されているのです。

不動産の実勢価格の特徴

不動産以外にも様々な実勢価格があります。スーパーで売られている肉や野菜も実勢価格です。季節や天候によって需給条件が変わり、価格が変動します。

家電量販店に行けば定価が設定されている家電でも、ライバル店との価格競争や売れ行き具合によって価格が決められたり変動したりします。これらも全て実勢価格です。

ただし、不動産の実勢価格は他の物品の実勢価格とは大きく違う特徴があります。それは、不動産は一点ものだということです。

不動産の実勢価格や相場では価格幅を持たせて考える

食品や家電は同じ物、ごくごく似通った物が大量にあります。その為、ほぼ同じ条件で価格を比較することができ、目の前の商品の実勢価格が安いかどうか簡単に判断することができます。

しかし、不動産の場合は全く同じ条件の物件がありません。似たような条件の物件であっても、実は同じ視点で実勢価格が安いかどうかを比較することができません。

つまり、不動産の相場は過去の似通った物件の実勢価格の集合体であると言えます。

その為、不動産の実勢価格や相場を考える時には、ピンポイントでいくらと考えるのではなく、ある程度価格に幅を持たせて捉えておく必要があります。

実勢価格と査定額の差

実勢価格と査定額の差

では実勢価格と仲介会社が行う査定価格に差はあるのでしょうか。結論から言うと、実勢価格と査定額の間には査定を行う業者によって大きな開きが出るケースがあります。

不動産の査定を行うには、まず土地と建物のそれぞれについて平米単価を計算します。土地の場合は、主に都道府県地価調査、路線価、地価公示の3つの指標を用いて評価を行います。そこに土地の形状や周辺環境などを加味して、加点と減点を行っていきます。

建物については、不動産流通推進センターが発行している価格査定マニュアルを参考に、建物の外観や内装の劣化具合、修繕履歴、内装のリフォーム状況、築年数などを考慮して加点と減点を行っていきます。

しかし、このままでは実勢価格とかけ離れた査定額になりやすいので、実際の売却相場の状況や需給状況を判断して査定額を決定します。この時、仲介業者は過去の取引実績や現在の近隣物件の販売価格や市場のニーズを参考に査定額を導き出します。

つまり、最後は仲介業者が独自の判断で査定額を導き出すことになるのです。

過去の取引実績を参考にすると言っても、そのエリアでほとんど取引事例がなければ実勢価格と査定額に大きなズレが生じる可能性は高くなります。また、業者の査定スキルや販売力の違いによっても、その査定額に違いが出るのです。

路線価と査定額の関連性

路線価と査定額の関連性

実勢価格と査定額には、査定を行う業者のスキルによって差が出ることは先ほど述べた通りです。実勢価格と査定額に開きがあれば、路線価と査定額にもある程度の開きが出るのは当然です。しかし、査定額は路線価を元に価格を評価しているので、大きくかけ離れることはないはずです。

評価基準として路線価が用いられている以上、路線価と査定額が大きくかけ離れた評価が出てきたのであれば、その査定には何らかの問題がはらんでいると考えるべきでしょう。

路線価と実勢価格の関連性

相続税路線価は1年に1回、固定資産税路線価は3年に1回しか見直されないため、路線価は実勢価格よりも後追いする形で価格変動が反映されます。時価がそのまま反省される実勢価格とは違い、路線価は市場の価格推移の反映が遅くなるのです。

路線価と実勢価格に差があれば、路線価と査定額の間にも差が生じます。路線価は鑑定評価のベースとして使われますが、個々の不動産の特徴、環境、収益性、利便性によって加点減点が行われ、最終的には実勢価格を参考に推測するからです。

まとめ

査定額が適正かどうかを判断する

路線価だけで不動産の査定額が決まるわけではありません。二つの価格の間には価格差があることは理解していただけたと思います。

しかし、業者から提示された査定額が路線価から大きくかけ離れていないかどうかを見ることで、その査定額が適正かどうかを判断する助けになります。

仲介業者から出された査定額の高い安いだけで判断するのではなく、路線価からどれだけ乖離しているのかを調べることで、その査定額の適正度がある程度分かってくるでしょう。

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