不動産相場を知るには?売却価格の目安を決めるノウハウ
不動産を売却するときの流れのうち、まず初めにやっておきたいのが売却価格の目安を決めること。目安がなければ、あなたの物件をいくらで売りたいのか仲介業者に希望を伝えることもできませんし、売却の際に買い手と交渉することもできません。
不動産には定価というものがなく、実際にあなたの物件を売るときには、さまざまな要因から売却価格が決まります。現時点では正確な売値がわからないため、いま考えるべきなのは”目安”ということになります。
売却価格の目安をたてるには、まず不動産相場を知りましょう。「これぐらいの値段で売りたい!」と高すぎる価格で売り出しても買い手はつかないでしょう。逆に安すぎる価格で売ってしまえば損をすることになります。
不動産の価格相場は、過去の取引価格や現在の販売状況を調べることで知ることができます。おおむねこれくらいなら売れるという相場を知っていれば、売却活動や売却交渉もしやすくなるというもの。
ここでは、不動産相場を知って売却価格の目安を決めるノウハウを紹介していきます。
目次
過去の取引価格を知る
不動産の過去の取引価格を知る方法を紹介します。実際にその価格で取引されたのですから、価格相場としての信憑性は高くなります。
不動産情報ライブラリ(旧土地総合情報システム)
国土交通省の不動産情報ライブラリは、不動産の取引価格、地価公示・都道府県地価調査の価格を調べることができるサイト。情報の件数は約580万件(2024年11月時点)。
取引時期、土地・マンションなどの不動産の種類、住所や地方・路線などの地域、といった条件で検索することができます。最寄駅からの距離や間取りや築年数などかなり細かい情報まで知ることができるので、あなたの売りたい物件に似た物件の取引相場がわかると思います。
レインズ・マーケット・インフォメーション
不動産会社が使うレインズ(REINS)という不動産情報サイトをご存知の方もいらっしゃるかもしれません。
レインズは加入している不動産業者しか閲覧することはできませんが、その情報を活用したレインズ・マーケット・インフォメーション(REINS Market Information※以降RMIと表記します)なら個人の方でも利用可能です。
こちらも土地総合情報システムと同じく、あなたの売りたい物件に近い条件で検索してみて取引相場を確認してみましょう。
土地総合情報システムとRMIの違い
土地総合情報システムもRMIも過去の不動産取引価格を調べられるツールですが、見ることができる情報や使い勝手が変わります。
簡単に両者の違いをまとめてみましたので、相場を調べる際には特徴に合わせて使い分けてみましょう。
- RMIでは駅からの距離や築年数などの細かい条件で絞り込み検索ができる
- マンションの場合、土地総合情報システムでは取引総額を見ることができるがRMIでは㎡単価のみ
- RMIでは取引価格や取引件数などの推移がグラフで視覚的に見ることができる
物件検索サイトで調べる
不動産相場は、買い主側が使うような中古物件購入サイトの情報を活用することもできます。現時点で売り出されている物件の情報なので、直近の売却価格として参考にできると思います。
中古物件購入サイトの良いところは、物件の内観写真や状態などの詳細な情報を見ることができる点です。実際にあなたの物件を売り出す際の参考としても活用できるでしょう。
ただし、中古物件購入サイトに掲載されているのは、あくまで売り出し価格であって取引価格ではありません。売れなければ価格を下げることもありますし、買い主との交渉で実際の売却価格は変わることもあるということを頭に入れておきましょう。
不動産会社に査定してもらうのが早い
過去の不動産取引価格を調べる方法と現在の売り出し価格から相場を知る方法を紹介しましたが、実はあなたの物件価格を一番手っ取り早く、一番簡単に知る方法があります。それは不動産会社に査定してもらう方法です。
「なんとなく売ったらいくらになるのか知りたい」という程度では利用をおすすめしませんが、売ることを前提に相場を知りたいのなら不動産の専門家である不動産会社に聞くのがもっとも正確で早い方法です。
本日査定に来て頂き、去年購入した墨田区のマンションの値段が上がりましたので売却することにしました。墨田区で物件を探している方がいたらお知らせください。 pic.twitter.com/vL6jVeEaij
— 嶋津 幸樹 (@Koki_Shimazu) 2018年5月2日
しかし、親しい不動産会社がいなければ不動産会社探しから始めなければなりません。
不動産会社にも得意な物件、不得意な物件があります。数ある不動産会社の中から、あなたの物件に詳しく、正しい査定額を出してくれる不動産会社を探し当てる必要があるのです。
「全然手っ取り早くないじゃないか!」と思いましたか?そうです、不動産会社を探すのは大変な手間がかかるのです。
それでは続いて、あなたの物件にマッチした不動産会社を簡単に探し、物件査定も行ってもらえる方法を説明したいと思います。
複数の不動産会社にまとめて査定してもらう
あなたの物件に得意な不動産会社を探すにはどうしたら良いと思いますか?地道に1社1社、問い合わせをしますか?メールを送ってみましょうか?いえいえ、そんな手間をかける必要はありません。
不動産会社探しの手間を省き、査定も行ってもらえるのが「不動産一括査定サイト」というWEBサービスです。
不動産一括査定サイトを使えば、あなたの情報を1度入力するだけで複数の不動産会社で査定を行ってもらえる仕組みになっています。あなたは不動産一括査定サイトの査定結果を見て、好きな不動産会社を選ぶだけで良いのです。
不動産会社は価格相場だけでなく、社内の取引事例や得意ジャンル・得意エリアかどうかで査定額を決めていきます。
つまり、不動産一括査定サイトを利用すれば、自分で調べた不動産相場と比べて高値がつく場合も少なくありません。
「じゃあ自分で相場を調べる必要は無いのでは?」と感じるかもしれませんが、査定額が高いのか安いのか判断がつきづらくなりますので、周辺地域の取引価格くらいは見ておくようにしましょう。
複数社の査定額を見比べるのが良い
不動産会社に査定してもらう際は1社だけの結果を信用するのは避け、複数社の査定額を見比べるようにしましょう。それにより査定額が高いのか安いのか判断がつきやすくなるでしょう。
病気の診断でもセカンド・オピニオンという言葉が流行りましたよね。不動産一括査定は、売却価格のセカンド・オピニオンとして使えるのです。
マネーポスト不動産売却おすすめの不動産一括査定サイトの特徴をまとめてみました。気になる査定サイトがあったら覗いてみましょう。
サイト | 提携会社数 | 同時依頼(※) | 特徴 |
---|---|---|---|
すまいValue(バリュー) おすすめ度 ★★★★★ |
大手6社 | 6社 | 住友・三井・野村など大手不動産会社(6社)に 一括査定依頼できるのはここだけ。 |
SUUMO(スーモ) おすすめ度 ★★★★★ |
2,000社以上 | 10社 | 知名度バツグン&提携社数2000社、 国内最大級の不動産査定サイト |
LIFULL HOME'S おすすめ度 ★★★★☆ |
4,391社 | 10社 | 大手~地場まで全国4,391社・最大10社に一括査定可。 不動産会社の情報が充実しているので会社の特長や雰囲気までわかる。 |
イエウール おすすめ度 ★★★★☆ |
1,600社以上 | 6社 | 厳選した優良1,600社に依頼できる 利用者数ダントツの不動産査定サイト |
HOME4U おすすめ度 ★★★★☆ |
1,300社以上 | 6社 | 売却査定数35万件以上を誇る 国内初の不動産一括査定サイト |
※査定可能会社数は物件所在地によって異なります
不動産会社ごとに査定額が違う理由
不動産一括査定を行った場合、不動産会社によって査定額に数百万円もの差がつくことがあります。同じ物件の査定なのに、なぜ不動産会社によって査定額が変わるのでしょう?
その理由のひとつは前述した通り、不動産会社によって得意な物件があるから。特定のエリアに強かったり、マンション専門だったり、買い手を抱えている場合もあります。売れる自信があれば高値をつける不動産会社もあるのです。
せっかく同じ物件を売るのですから、できる限り高額査定を狙いたいですよね?不得意な不動産会社に任せて損をするよりも、一括査定により不動産会社を見極めるのが賢いやり方でしょう。
まとめ
不動産売却の際に売却価格の相場を知るには、過去の取引価格や現在の売り出し価格を調べる方法があります。
しかし、一番現実味があるのは不動産会社に査定してもらうこと。実際に売買を行っている不動産会社なら、あなたの物件がいくらくらいで売れるのか誰よりも判断がつきやすいでしょう。
不動産一括査定サイトの利用は無料です。査定してもらった不動産会社に仲介を依頼するのか、他の不動産会社を探すのか、それとも売却を諦めるのかは、利用してみてからあなたが決めることができます。
まずは売却に向けて1歩動き出す、という気持ちで利用してみてはいかがでしょうか。
不動産査定をどこに依頼しようか迷っている方に、マネーポスト不動産売却が提案したい解決方法があります。それは、2つ以上の不動産査定サイトを組み合わせて使うことです。
不動産一括査定サイトには、提携社数が多いものや大手に特化したもの、マンションに特化したものなど、それぞれに特色があります。査定は無料ですし、各サイトの特色を活かすなら、どれか1つだけに絞る必要は無いと思いませんか?
おすすめの組み合わせは、大手に特化した「すまいValue」と片手仲介の「SRE不動産」です。この2つを使うことで以下のようなメリットが得られます。
- 三井のリハウスや住友不動産販売など「すまいValue」にしかない大手6社の一括査定
- エージェント制&AIを導入する「SRE不動産」で高値売却の可能性を高める
- 最大で7社からの査定結果が得られるが、すまいValueは査定申込み時に不動産会社を選択できるので、多いと感じるなら減らすこともできる
- 備考欄に「メール連絡希望」の旨を入れれば電話が鳴りすぎることはない
もちろん、入力の手間がかかるというデメリットはありますが、1サイトの入力にかかる時間はたった1分ほどです。
さらに多くの査定結果を希望する場合は、全国の不動産会社を網羅した「LIFULL HOME'S」や「イエウール」にも査定依頼をしておけば万全でしょう。
大切なあなたの不動産を売るのですから、複数サイトで査定を行って査定内容に幅を持たせましょう。