不動産は売却時期で価格が変わる?売り時に最適なタイミングとは
不動産を売るときに軽視されがちなポイントに「売り出しの時期」があります。実は、売り出しのタイミングによっては売却価格が数百万円単位で変わることもあるのです。
不動産を売る時期を選ぶときには、どのような点に注意すれば良いのでしょうか。このページでは、不動産売却に適した売り出しタイミングを考察していきます。
目次
売り出すときに考えたい不動産相場の波
不動産に限らず、財産を売却するときは「安く買って高く売る」ことが鉄則です。そこで注目したいのが、不動産の相場には「波」があるということです。
1980年代末から1990年代はじめのバブル景気時の異常な価格高騰とその後の低迷は特徴的ですが、これよりも短いスパン・小さい値動きでも不動産価格の「波」は明確に観察されています。
直近で振り返ると、不動産相場は2007年から2008年にかけて上昇傾向でしたが2008年9月のリーマンショックを機に大幅下落。2011年の東日本大震災を経て、2013年のアベノミクスを転機に緩やかな上向きか横ばい傾向が続いているのです。
相場の変わり目を見極めるのは難しい
相場の一番安い価格で買って一番高い価格で売るのが理想ですが、価格が上昇を始める変わり目を見極めることは簡単ではありません。長期の相場変動とは別に、前年比・前月比といったより短いスパンでも不動産価格は値動きしているのです。
大きな相場変動が続いている中でわずかな異変に振り回されて取引をすれば、相場変動がより激しくなったときに大きな損失を抱える原因にもなります。底値やピークはあきらめ、相場が上昇下降のどちらからにある程度固まった段階で取引するのが不動産を扱うときのコツなのです。
買ったときより上がっていれば「売りどき」
相場の変動に惑わされない方法として、「いま売ったら損をするか得をするか」という見分け方があります。
値幅がわずかしかなくても、買ったときより高値で売れるのなら売却タイミングとしてはまずまずでしょう。相場の把握に自信が持てないときには、買ったときの価格と売るときの価格を比較することは効果的な見分け方です。
また、売ることで利益を考えていなくても、これくらいで売れるといいなという希望価格を設定し、その価格よりも高く売れるのであれば売却タイミングとしては悪くありません。不動産相場はいつその希望価格を下回るかわからないのですから。
売り出しの季節は重要なポイント
不動産相場以外にも、売り出しの「季節」に注意しましょう。
日本では4月が年度の変わり目となるので、新学期や新年度が始まる4月までに引っ越しを検討する人がほとんどです。不動産を売るなら、新年度がはじまる前である1月から3月がねらい目と言えます。
また、規模こそ小さいものの、夏の終わりから秋口にかけての秋の異動シーズンも同様にねらい目と言えます。
買い替えのタイミングに合わせる
相場や売り出す季節は高値で売るために重要なポイントですが、高値で売ることにこだわっていては思わぬ失敗をすることにもつながります。
不動産を売る理由が買い替えの場合、今の物件が売れるかどうかと合わせて、買い替え物件のスケジュールにも注意が必要です。スケジュール管理に失敗すると、仮住まいや二重ローンなど、さまざまな負担が重くのしかかってくることになります。
いま住んでいる物件を売ってから次の物件を買うのか、次の物件を買ってからいまの物件を売るのか、住み替えのタイミングについて説明しているページも参考にしながら検討してみてください。
周辺の不動産の状況も影響する
特定の時期に限られたエリアで売却が集中すると、相場に影響が出ることがあります。近年人気のタワーマンションなどは、狭いエリアで一斉に物件売り出しがおこなわれるため、周辺の不動産価格を引き下げる傾向があります。
売り出し物件の近くで大規模な開発がおこなわれているのであれば、できるだけ早期に売却できるように早めの売り出しやあえて安い価格設定をするなどの対抗策を取る必要があります。
売り出しタイミングには税金も影響する
売り出しに適したタイミングには税金も影響してきます。不動産を売却して手に入れた所得は「譲渡所得」として扱われ、所得税や住民税の課税対象となります。これらの税金を計算するときの税率は、所有期間が短いほど税率が高くなるように設計されています。
このような課税負担を軽減するために、居住用財産を売却したときに発生する譲渡所得への課税を軽減する「損益通算」や「繰越控除」が設定されていますが、これらの適用を受けるときにも所有期間に要件が付きます。
売却後は確定申告を忘れずに
不動産の売却によって一定額を超える利益(損失)が出たときには、確定申告によって正しい所得税額を申告する必要があります。
確定申告の提出を怠ると、本来の納税額に上乗せした税金の支払い(追徴課税)が発生するだけでなく、脱税の疑いで逮捕される可能性があるなど、さまざまなデメリットがあります。
無用なトラブルを避けるためにも、損益にかかわらず確定申告は忘れないようにしましょう。
まとめ
不動産を売却するときには、相場や季節、課税や控除といった税制など、さまざまな要因が密接に関係してきます。売り出す際もこれらの要素を頭に入れたうえで、自分にとってベストなタイミングを見計らいたいですね。
不動産相場や周辺不動産の動向などは、仲介する不動産会社に情報を提供してもらうこともできます。まずは売却を検討している不動産を査定して、あなたの物件を得意とする不動産会社を探すところから始めてみると良いでしょう。
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