離婚が原因の不動産売却は第6位。売却時は名義とローン残高に注意
不動産売却に至るまでの経緯は様々で、その中には離婚が理由となるケースもあるでしょう。
実際に、LIFULL HOME’Sが調査した「住まいを売却することになった理由ランキング」では、離婚を理由とする売却が第6位にランクインしています。
1位 より良い住まいに住み替えるため 42.3%
2位 資金が必要となったため 12.9%
3位 今が売り時だと考えたため(税制改正などから)9.4%
4位 勤め先の転勤のため 7.9%
5位 住まいを相続した/することになったため 7.5%
6位 離婚したため 6.0%
マンションや一戸建てを売却することになった理由ランキング(LIFULL HOME’S PRESS調べ)
離婚がきっかけとなった不動産の売却は、一般的な不動産売却と比べると複雑な内容になることが多く、知識不足では問題が発生することも。
今回は、離婚による不動産売却の手順や注意点などを詳しく解説していきます。
目次
離婚による不動産売却の手順
全体的な売却手順については、一般的な不動産売却も離婚による不動産の売却も、大きく変わらず以下の通りに進めていくことになります。
では、一般的な不動産売却との違いはどこにあるのでしょうか?
離婚による不動産売却で押さえたいポイント
離婚による不動産売却で押さえたいポイントは以下の通りです。
- 売却価格と売却期間
- 売却する不動産の名義
- オーバーローンへの対処
それぞれのポイントを詳しく見ていきましょう。
売却価格・売却期間を決める必要性
通常の不動産売却では、できるだけ高値で売却するために、まず査定価格の上限値価格で売り出します。そして、買い手の反応などを加味して徐々に価格を下げていくのが標準的な流れとなります。
しかし、離婚による不動産売却では、最低ラインの売却価格となる“下限値”の設定が重要です。もし、利益を夫婦間で分割する場合、夫と妻の経済的な事情が異なるとトラブルに繋がる可能性があるからです。
例えば、夫は会社員で金銭的な余裕があり早期売却を希望していても、一方の妻は主婦で今後の生活のためにできるだけ高値の売却を希望しているケースだと、両者の意見が相違することになります。
意見の相違があると、仮に購入希望者から「値下げ価格なら購入する」という問い合わせがあったとしても、返答が遅くなり売却不成立になることが予想されます。
このような問題を防ぐには、両者が妥協できる価格と期間などを事前に決めておくことが重要となるでしょう。
単独名義と共有名義の違い
離婚による不動産売却では、売却の対象となる不動産が「単独名義」あるいは「共有名義」のどちらなのかを把握しておく必要があります。売却する不動産の名義次第では、注意点するべき点が異なるのです。
単独名義
単独名義とは、夫と妻のどちらか片方が名義人であることを示します。
ただし、結婚後にマンションなどの不動産を購入した場合は共有財産とみなされます。夫が購入価格の全額を支払って単独名義扱いになっていたとしても、売却益は分与という形で妻にも渡ることになります。
共有名義
共有名義とは、夫と妻の両方が名義人であることを示します。名義の割合は、一般的には購入価格の負担割合となりますが、登記時に決めた割合が優先されることになるので、購入価格の負担割合が必ずしも基準になるわけではありません。
また、共有名義である不動産を売却する際は「共有者全員の同意が必要」となります。
このように、単独名義と共有名義では「売却への同意」という大きな違いがあります。共有名義の場合、片方でも売却に反対している時はトラブルに発展する可能性が高くなりやすいと言えます。
住宅ローンを返済できない「オーバーローン」の対処法
売却にあたって「住宅ローンを完済している」または「売却益で返済が可能」という場合は問題ありませんが、特に注意したいのが売却益をローン返済に充てても完済できない”オーバーローン“です。
ローン返済が不可能と判断された場合、最終手段として強制的に競売にかけられてしまいますが、競売は市場価格より割安で取引されてしまうためできるだけ避けたいものです。
そこで、その救済措置としてあるのが「任意売却」という選択肢です。
任意売却とは
任意売却とは、住宅ローンの完済ができなくても不動産を売却できる取引のことをいいます。競売よりも高値で取引することができるため、少しでも多くの売却益をローン返済に充てることが可能です。
任意売却後の残っているローンの返済は、債権を譲渡された債権回収会社によって売主の経済事情を勘案した上、無理のない返済方法を提示してサポートしてくれます。
この任意売却を利用するためには、競売が成立するまでに任意売却の取引を完了させておく必要があります。さらに、債権者である金融機関の承諾を要するため、不動産会社や専門のコンサルタントに交渉してもらう必要もあります。
任意売却のデメリット
しかし、任意売却にもデメリットがあります。売り出し価格などの基本的な売却事項の決定権は金融機関が持っており、売主が希望する売り出し価格を設定することができません。また、任意売却の履歴が登録されることにより、数年間は金融機関での借入れが難しくなるのが特徴です。
ただし、任意売却の履歴はおよそ5年程度で消えるため、競売にかけられるよりローン返済の負担が軽減される任意売却を選択したほうが、その後の経済事情の負担が軽くなるでしょう。
まとめ
離婚による不動産売却では、特に「名義の種類」「ローン残高」を確認することが重要になってくるでしょう。
離婚に伴う不動産売却ではトラブルが発生しやすくなります。不動産査定一括サイトなどを活用して、親身に対応してくれる不動産会社を見つけることが大切です。
いずれにせよあなたの人生に大きく関わる内容です。まずは落ち着いて、離婚することが本当に正しい選択なのか見直してみてはいかがでしょうか。
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