マンションの売却理由はどう答えるべきか
マンションの売却では、売却に至った経緯について買主から尋ねられることがあります。
売主によって売却理由は様々ですが、答え方や内容次第ではマンションに対する印象に影響を与え、売却が有利に進むこともあれば不利になる可能性も出てきます。
マンション売却では、売却理由を正しく答えるべきだということを事前に理解しておきましょう。
目次
マンションの売却理由ランキング
実際に市場で売却されたマンションは、どのような理由で売却されているのでしょうか。
LIFULL HOME’Sが公表している調査結果によると、売却理由のランキング上位は以下の通りです。
1位 より良い住まいに住み替えるため 42.3%
2位 資金が必要となったため 12.9%
3位 今が売り時だと考えたため(税制改正などから)9.4%
4位 勤め先の転勤のため 7.9%
5位 住まいを相続した/することになったため 7.5%
マンションや一戸建てを売却することになった理由ランキング(LIFULL HOME’S PRESS調べ)
最も多い売却理由は、およそ半数の割合を占めている「より良い住まいに住み替えるため」。家庭の人数が増えた、子供の進学を機に新しい地域に移り住む、といった事情が考えられます。
ランキング上位の売却理由はマイナス要因ではない
あなたがマンションを売却する理由がランキング上位の理由に該当する場合、買主に対して正直に売却理由を伝えても問題はありません。
ランキング上位の売却理由は、いずれも売却動機がライフスタイルの変化や生活のためであって、マンションそのものにマイナス要因があるわけではないからです。
マンションを売却する場合、売主側には何らかの売却理由があるはずです。その理由を隠してしまうと、買主に不安感や疑念が生じて購入意欲が薄れる恐れがあります。
上記のような売却理由ならマンションに対する印象が悪くなることはまずありませんので、双方が納得できる売買を行うためにも理由は打ち明けるべきです。
マイナス要因の売却理由は伝えるべきか
売却理由が「近隣住民との関係性」「住環境が合わない」「離婚したため」などのマイナス要因である場合はどうすればよいでしょう?
成約価格への影響や売却期間の長期化という懸念材料を考えると、売主としては買主へ売却理由を伝えるのを躊躇したい気持ちになります。
実際のところ、「近隣住民の生活音が生活に支障をきたすケース」や「交通量の多い道路に面しており騒音や異臭があるケース」、「治安が良くない地域に所在するケース」など、マンション自体に原因がなくても周辺環境がマイナス評価として査定額に影響するのは事実です。
しかし、わざと秘密にすれば売買後にトラブルへ発展する可能性があります。成約価格が多少下がったとしても、伝えるほうがリスク回避に繋がると考えたほうが良いでしょう。
高額で売買される不動産だからこそ、ネガティブな内容も思い切って打ち明けるべきなのです。
必ず告知すべき売却理由がある
「買主に売却理由を伝えるべきか」という点について解説しましたが、売却の際に「必ず告知しなければならない内容」があります。それは、”物件の瑕疵“です。
マンションの瑕疵には建築基準法不適合や室内設備の不具合などがあり、不動産売買において売主には物件の瑕疵について告知すべき義務が課せられています。
もし、瑕疵の存在について告知せずに売却すると、売主は瑕疵担保責任を負うことになります。その場合、買主から損害賠償または契約解除、もしくは両方を請求される可能性があるので注意しましょう。
売却理由はどうやって伝えれば良い?
不動産仲介で売買を行う場合、売主の代わりに不動産会社が買主と交渉をすることになります。
あなたが直接交渉するわけではないので、売却理由は不動産会社の担当者に伝えましょう。マイナス要因が多少あっても、買主に直接伝えるより担当者のほうが伝えやすいはずです。
不動産会社の担当者は、さまざまな売却理由を持つ不動産売却を経験しているプロです。買主の購入意欲が無くなるような伝え方は避けるでしょう。
買主と対面する内覧時の対応では気をつける
物件の内覧に立ち会う際は買い手と対面することになりますので、対応には注意しましょう。
「住んでみた快適性や利便性」「近隣住民とのトラブルの有無」などはよく聞かれる質問です。前向きな感想を正直に伝えると良いですね。
明らかにマイナス評価となる内容だけを強調する必要性はありませんから、あらかじめ内覧で話す内容を担当者と打ち合わせしておくのも効果的です。
まとめ
マンションの売却理由は、評価にどう影響するかに関わらず”正直に伝えるべき“です。重要となるのは、その中で最良な売却を実現するための不動産会社の対応力や営業力。
不動産会社の対応力や営業力の見極めでは、複数の仲介業者を比較することが大切です。あなたの売却理由を親身に受け入れ、適切な売却戦略を提示してくれる不動産会社を選びましょう。
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