【メーカーレポ】足元ボトル設置型のパイオニア! 「コスモウォーター」のサーバーが秘めた驚きの機能の数々
ウォーターサーバーは本体の上に水のボトルを設置するイメージがあるが、最近では下部にボトルを入れるタイプも増えてきた。この「足元ボトル設置型ウォーターサーバー」を、2012年に日本で初めて自社開発したのが「コスモウォーター」。ボトルの交換が楽なことで人気を博している同社を訪ねてみた。
◆ボトル交換をさらに楽チンに
「コスモウォーター」のウォーターサーバーは、最初から足元に水ボトルを収納するタイプだったわけではない。もともとは他の多くのメーカーと同じく、上からボトルを差し込む構造だった。足元設置型に至った経緯について、同社企画統括部の中村さんはこう話す。
「ボトルを上に設置する構造は合理的ではあるのですが、何キロもあるお水を胸の高さまで持ち上げるのは大変です。小柄な方や力の弱い方、高齢の方にとっては重労働です。そこで、ウォーターサーバーの下部にボトルを入れるタイプを開発することになりました」(中村さん、以下「」内は同)
ボトルを高く持ち上げないタイプなら交換が楽になるはずと、ウォーターサーバーの下側のドアを開いてボトルが入るケースを取り出して、そこに差し込む…という形式にした。
「これは非常に好評をいただいたのですが、お客様から『結局ボトルを持ち上げなければならないのが大変』という声が聞かれるようになったんです」
ボトルが入るケースは30センチほどの深さがあり、底部に水の取り入れ口があった。ここにボトルの口をはめこむためには、一度抱えて持ち上げて差し込む必要がある。この動作を煩わしいと感じる人がいた。そこで、「コスモウォーター」では、さらに改良を施すことにした。
「コスモウォーターユーザーの中心層である30~40代の女性の中には、妊娠中の方も少なくありません。体を曲げるのが大変なこともあるので、少しでも負担を軽くしたいと思いました。試行錯誤の末、考え出されたのが、取っ手を付けたバスケット型のケースにすることです」
横倒しにしたケースにボトルを滑り込ませて取っ手を持ち、ウォーターサーバーから引き出したレールの上に載せて戻すだけ。これなら大きな力は必要ない。
交換時は、横にしたバスケットにボトルを滑り込ませ、取っ手を持って台に載せ押し入れるだけ
「お客様からは『とても楽になった!』という感想が非常に多くありました。アイデアが認められ『グッドデザイン賞』にも選ばれました。お客様のご意見をもとに生まれた機能だと思っています」
グッドデザイン賞を受けたポイントは、もう一つある。それは、子どもの安全を守るチャイルドロック機能に関してだ。
「ロックをかける方法はいくつかあります。よくあるのが、ボタンやレバーを押しながら回すとか、コックを開く力を重くする、ロック機能を取り付ける…などです。しかし弊社の場合は『注水時に必要なキーを抜いてしまう』のです。これなら大人であっても使うことはできません」
つまり、物理的に水を出すことが不可能な状態にしてしまうということだ。キーの先端はカギのようになっており、代わりに細い棒を差し込んだところで注水はできない。ちなみにこのキーは、温水についても冷水についても取り外しができるが、それぞれ先端の形状を変えている。
「最近は温水と冷水の蛇口を一本化したデザインのウォーターサーバーも増えてきました。ルックスがスマートになりますが、『コスモウォーター』ではあえて2口にしています。その理由は『視覚的にわかりやすいから』です。赤と青に色分けしたことで、初めての方でも直感的に使えると考えております」
誰にでも使える「ユニバーサルデザイン」という概念があるが、「コスモウォーター」のウォーターサーバーはまさにこれを具現化しているといえそうだ。
コックのキーを引き抜けば、お湯を出すことは物理的に不可能となる
◆新鮮な水を安全に届ける仕組み
より扱いやすく機能を進化させてきた「コスモウォーター」だが、そのウォーターサーバーに使われる水についても、同社ならではの特長がある。
「採水地を静岡、京都、大分に置いていて、いずれも地上の汚染の影響がほとんどない地層深くからお水をくみ上げています。採水地が全国に3か所ある理由は、お水を採取してからお客様のもとへ48時間以内に、新鮮な状態で出荷するためなのです。また、お住まいの地域に近いお水であれば、日ごろ馴染んできたお水の味と近いものを楽しんでいただけると思っています」
採水地の数は、以前は今より多かったそうだが、絞りこんでいくうちに、この3か所に落ち着いたそうだ。全ての採水地で1日に複数回、120項目もの水質検査を行って安全を確保している。
そして、厳選されたおいしくクリーンなこの水を安心して飲むことができるよう、さらなる工夫がある。
「ボトルはお水が減ると同時につぶれていくため、空気中のゴミや菌をシャットアウトできるようになっています。ウォーターサーバーのお水がキレイでも、空気中の汚れが入り込んでしまったら意味がありません。そこで、ウォーターサーバーのタンク内の空気を浄化する『クリーンエア』や、パイプの中で熱水を循環させて内部をクリーンな状態に保つ『クリーンサイクル』も搭載しています」
水をくみ上げてから私たちの口に入るまで、「コスモウォーター」がいかに安全性を追究しているかということがよくわかる。
全国3か所の採水地でのくみ上げから48時間以内に出荷するのでいつも新鮮
◆ユーザーニーズを細かくキャッチ
また、同社が大切にしていることは「ユーザーの立場に立つこと」だという。より安全に、安心して使えるよう要望に真摯に耳を傾け、柔軟に対応してきた。
「わかりやすい例では、ボトル内のお水の量です。弊社のサーバーのお水を吸い上げる構造では、どうしても最後に吸いきれないお水が残ってしまいます。最後の一滴まで使い切れないと、損をしたような気持ちになると思います。そこで、ボトルは12リットル入りですが、実際はそれよりコップ1杯分ほど多く入れているんです」
残った水は、ボトルのキャップを外してコップに移すことができるので、実際は得をしていることになる。このような、注意して見なければ気づきにくい工夫が、同社のウォーターサーバーにはいくつもある。
「お水の出る勢いを、業界の中では比較的強めにしています。お水が跳ねないギリギリの強さなんですが、これは鍋や大容量ボトルにお水を入れるときの時間短縮のためです。チョロチョロとした勢いではストレスになると判断したんです。お客様のニーズや取り入れたほうがいい機能などがあれば、社内で自由に討論し形にしています」
ユーザーの反応は、まさに“宝物”。実店舗を持たない業態の場合、契約したらそれきりになってしまいがちだが、「コスモウォーター」では、おいしい水を使った料理イベントなどを開催して、ユーザーと直接つながる機会も設けている。
「今後もお客様の声を大切に、より安全で使いやすいサーバー本体やサービスの向上に努めて参ります」