ウォーターサーバー愛用者に聞きました「水の味の違いを実感したのはどんなとき?」
ウォーターサーバーの大きな利点の一つに「水のおいしさ」がある。それは、ミネラルバランスに優れていたり安全でクリーンといった条件にかなう採水地から、プロの目で厳選された「いい水」を持ってきているからだ。しかし、水は基本的に無味無臭。では、改めて水のおいしさに気づくのはいったいどんなときだろうか? 今回は、東京都内のウォーターサーバーユーザーに、いつ、どんなタイミングで水のおいしさを実感したかを尋ねてみた。
◆水の味とニオイを決めるのは?
水には実は、目に見えない状態でいろいろな物質が溶け込んでいる。多くの水に含まれているのが「ミネラル」だ。中でもマグネシウムとカルシウムは、水の性質を決める2大ミネラル。この2つが1リットル中に何ミリリットル含まれているかで、水の「硬度」が決まる。世界保健機関の基準では、120ミリグラム以上は「硬水」、それより少ないと「軟水」となる。
ただ、同じ軟水でも限りなく0に近い「超軟水」や、30ミリグラム程度という、硬度がかなり低い軟水、もっと硬水寄りの軟水では、水の味に差が出ることがある。アメリカのモネル研究所の調べで、カルシウムには独特の味があるという報告があるほか、ミネラルが大量に含まれた硬水を「重い感じがする」と表現する人もいる。
また、富士山麓ではバナジウムというミネラルが、ほかの場所と比較して多く含まれることがわかっている。「フレシャス」、「プレミアムウォーター」などの水には、このバナジウムが溶け込んでいる。
水についているニオイに関しては、水道水と天然水を比較したときに違いを指摘する人は多い。いわゆる「カルキ臭」というものだ。消毒用の塩素が家庭の蛇口から出ても水に残っており、それが場合によっては薬品臭く感じられる。また、古くなった水道管から金属臭が水についてしまうこともある。ニオイも飲食物を心地よく口にできるかどうかの決め手となるため、水に関してはできれば無臭であるほうが望ましいだろう。
こうした条件が重なることで「水の味」に違いが表れるわけだが、では実際に、ウォーターサーバーユーザーの体験を聞いてみよう。
岩石を通る間に天然水にはミネラルが溶け込んでいく
◆海外製と比べて実感
22歳の大島恵梨香さん(仮名)は、昨年からウォーターサーバーの水を飲んでいる。母親が自宅に導入したからだ。
「高校生のころから、ペットボトルの海外製ミネラルウォーターをよく飲んできました。オシャレなのと、近所のドラッグストアで安く売っていたからです(笑い)。ですから、水の味はけっこうわかるほうだと思っていました」
ある日、母親がウォーターサーバーを家に置くと言い出したときも、大島さん自身はあまり興味を覚えなかったそうだ。普段ミネラルウォーターを買って飲んでいるので、自分にとってはそんなに意味があるとは思えなかったとのこと。
「そしてわが家に『フレシャス』のウォーターサーバーが届きました。家族みんなで、まずはそのまま飲んでみようということになり、私も一杯飲んでみたんです。せっかくなのでよく味わうようにして飲んでみたら、いつも飲んでいるミネラルウォーターよりもスッキリしている感じがしました」
大島さんはそのときは、単に体感が違うだけかと思ったそうだが、後になって「水の性質」の問題ではないかと考えるようになった。
「ネットで調べてみたら、よく飲んでいた海外製ミネラルウォーターは、かなりの硬水でした。『フレシャス』の水は軟水。その違いが『スッキリ感』に出たんじゃないかと思っています」
「フレシャス」の硬度は21ミリグラム。軟水の中でも硬度が低いほうなので、硬水を飲み続けていた大島さんには、違いがよくわかったのかもしれない。
「それ以来、海外製のミネラルウォーターは買わなくなりましたね。ウォーターサーバーの水をマイボトルに入れて出かけます。これもオシャレかなって(笑い)」
◆店頭デモで実感
31歳の内田貴子さん(仮名)は、2年前から「コスモウォーター」を使っている。
「私は地方出身ですが、生まれ育った地域の水はあまり良質ではなかったそうです。もちろん安全に飲めるのですが、実は青臭いようなニオイがあったんです。もっともそれが当たり前と思っていたので、子どものころは水がまずいなんてまったく感じませんでした。むしろ25歳を過ぎて東京に出てきたときに、水道水がおいしいと思ったほどです」
東京の水道水はよく「カルキ臭が強い」といわれるが、それでも内田さんにとってはおいしい水だったという。
水道管が老朽化するとカルキ臭以外のニオイがつくことも…
「2年前に、近所の商店街でウォーターサーバーの実演を行っていました。何気なく立ち寄って試飲させてもらったときに『あれ? この水違う!』と感じました。たまにミネラルウォーターを買って飲んでいたりもしましたが、そのとき飲んだウォーターサーバーの水は本当においしかったんです」
内田さんはその体験後しばらくしてから、自宅にウォーターサーバーを設置することを決めた。
「自分がいかに水に対して無頓着だったか思い知りました。本当においしいものって、体で感じられるんですね」
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ウォーターサーバーを評価するとき、ランニングコストやデザインや使い勝手など、様々な条件があると思われる。しかしなんといっても基本となるのは、シンプルに「水がおいしい!」と感じることなのかもしれない。