ウォーターサーバーを徹底比較!

ウォーターサーバーの水はどのくらい保存できて、どれくらいで消費するのが正解?

ウォーターサーバーの水はどのくらい保存できて、どれくらいで消費するのが正解?

 ウォーターサーバーの水は、厳重に密封されたボトルやパックで届けられる。その中はクリーンな環境で作られた水で満たされており、封を開けてウォーターサーバー本体にセットさえすればいつでも新鮮でおいしい水が味わえる。とはいえ、賞味期限は設定されている。今回は、ウォーターサーバーの水はどのくらい保存がきき、いつまでに飲み切ればいいのかを調べてみた。

コスモウォーター

◆開封後2週間が目安

 我々に一番身近な水は、水道水である。水道水には通常、塩素が含まれている。これは雑菌などを退治するために、人体への影響が少ない塩素を利用しているためだ。水道水の塩素は残留塩素として、コップなどに出してからも1週間程度は残っていることが各種の実験で確かめられている。静岡県磐田市が行った実験では冷蔵庫に保管した場合、3か月後も残留塩素が検出された。つまり、腐敗しにくい状態が維持されていたということだ。

 日本の水がそのまま飲めるほど安全なのは、この塩素のおかげなのだが、デメリットもある。水自体の味が落ちたり、いわゆる「カルキ臭」が気になったりするという点だ。また、残留塩素の化学反応により、「トリハロメタン」という有害物質が発生することも指摘されている。

 水のおいしさと安全性のため、ウォーターサーバー会社では質のいいキレイな地下水や伏流水から、雑菌やゴミなどを徹底的に排除した水を提供している。また、「RO水」に使われる逆浸透膜という超微細なフィルターは、菌はもちろん、一部の放射性物質までろ過してしまう。

 こうした処理により、クリーンでいつでもおいしく飲めるウォーターサーバーの水だが、実は塩素をはじめ、防腐に関係する薬品は一切入っていない。ボトルは外気が入らないようにしっかりパックされてはいるが、それぞれ「賞味期限」が定められているのだ。

アクアクララ」、「キララ」、「クリクラ」など各社のサイトで調べてみると、「未開封の状態で、製造日から6か月」という基準を設けているところが最も多かった。そして「開封後は2週間以内に使い切る」ことが推奨されている。この場合の開封とは、サーバー本体に取り付けた時を意味する。

       

 賞味期限が比較的長く設定されているのは「アルピナウォーター」で、「未開封の状態で、製造日から1年間」となっている。また、サーバー取り付け後は3か月以内に使うことを勧めている。水の精製法やボトリングの仕方、サーバーの構造などが、保存期間の違いに表れているようだ。

    個人差だけでなく、家族構成や年齢でも水の消費量に違いが出る

個人差だけでなく、家族構成や年齢でも水の消費量に違いが出る

 いずれにしろ、ボトル1本を2週間程度で使い切れば、まず問題はないわけだ。東京都内でウォーターサーバーを使っている36歳の沢田美津子さん(仮名)に、日々の使用量の内訳について聞いてみた。

「うちは、夫と8歳の息子の3人家族です。朝晩の飲み水やお茶に1人あたり500ミリリットルくらいですから、合わせて1.5リットル。お米を3合炊くと600ミリリットルですから、少ない日でも1日2~2.5リットルくらいでしょう」

 ウォーターサーバーのボトルは大きいものでも20リットル弱。毎日上記の量を使っても10日以内でなくなる。1人暮らし、家族の人数が少ない、お子さんが小さいなどで使用量が少ない場合は、小さめのボトルをオーダーしたほうがいいかもしれない。

◆長期保存に適した水も

 水の保存と聞くと「災害時の備蓄」について考える人もいるだろう。国土が狭くインフラも整っている日本では、何週間も救援が来ないということは起こりにくい。しかし、生命線である水を十分に確保しておくことは重要だ。

 効率のいい備蓄法として、「アクアセレクト」では「ローリングストック法」を推奨している。これは「消費しながら備蓄する」という意味の言葉で、古いボトルから順番に使っていき、新しいものを常に補充しておくというやり方。新鮮なボトルが必ず一定量キープされるので、いざというときに保存期間が先のものを残しておけることになる。

   

 緊急時の長期保存問題を、根本的に解決してしまったものもある。「日田天領水」の「長期保存用日田天領水」だ。これはなんと、常温で5年間の長期保存が可能という。同社が採用している「HACCP」という高度な食品管理システムで製造されているのも、長期保存に貢献しているとのこと。もちろん日常の水としても使えるので、ある程度の時間が経ったら消費して、次の5年に備えるボトルを用意しておけば、かなり長期的な対策となる。

    ウォーターサーバーの水は、いざというときの「水がめ」ともいえる

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 水を節約するあまり、賞味期限切れにしてしまっては本末転倒だ。賞味期限は、ボトルの本体やシールに記載されているので、新規に届けられたら必ずチェックしておきたい。ボトルを保存する際は、直射日光があたらず、気温の差が大きくない場所に置くことが大切だ。きっちりパッケージされた水が、日光によって変質することは基本的にあり得ないが、ボトルの材質を劣化させてしまう可能性がある。ウォーターサーバーで、クリーンでおいしい水をより安全に飲むために、賞味期限、開封日、保存状態などに注意しておこう。

   
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