「超軟水」のウォーターサーバーを選んだのはなぜですか?
ウォーターサーバーに使われている水は、ただ単にその辺の水を詰めたものではない。天然水やRO水といった、おいしさや安全性に配慮した水をボトルに詰めている。そうして我々の手元に届く水は一見、同じようだが、さらに細かく見ていくと「硬度」の違いがあることがわかる。そこで今回は、硬度が非常に低い「超軟水」を供給しているウォーターサーバーの利用者に、それを選んだ理由や実体験による違いを聞いてみた。
◆超軟水で料理時間も短縮
水の硬度は、1リットルの水の中に溶けているミネラルである、カルシウムとマグネシウムの量で決まる。溶け込んでいる量が多いほど硬度は高いということになる。WHO(世界保健機関)では、120ミリグラム以上を硬水、それ未満は軟水と規定している。日本の水道水は50ミリグラム前後の軟水が多いが、ウォーターサーバーの水はさらに低く20ミリグラム前後の水が多い。
硬水はミネラルが豊富なため、不足しているミネラルを補うには効果的だ。水にミネラル独特の味を感じるケースも少なくない。ただ、水の中に溶け込んでいる物質が増えると、食物などへの浸透がしにくくなってくる。「料理には軟水が向いている」というのは、そのためだ。
46歳の若田和美さんは、1年ほど前からウォーターサーバーを使っている。ウォーターサーバーの水は料理によく活用しているが、通常の煮炊きとは少し違う利用をすることが多いという。
「私がときどき料理を教えてもらっている先生から、『料理には軟水が向いている』と、教わりました。硬度が下がれば下がるほど、浸透する率は上がるんだそうです。ですから軟水であれば、火にかけなくても水からでも出汁が取れるという話も聞きました」
水から出汁を取る方法は簡単で、例えば水を入れたボトルに昆布を入れて何時間か寝かせればいいとのこと。若田さんは先生から習ったその方法で、出汁作りを始めた。しかし、思ったほどの仕上がりにはならなかったそうだ。
超軟水は出汁取りにも適している
「日本の水道水は軟水なので上手くいくと思ったんですが、意外と時間がかかりました。そこで、水道水よりも硬度が低いペットボトル入りの水を使ったら大成功。でも、ペットボトルだと微妙に足りなくなったり中途半端に余ったりすることが気になりましたね」
そこで若田さんはペットボトルよりも手軽にたくさんの水を使えるウォーターサーバーを利用することにした。
「選んだのは『アルピナウォーター』です。硬度が1.05と非常に低かったので、水出しだけでなく、煮物などへの浸透具合もいいと思ったからです。実際、昆布などからエキスがよく出るようになりましたし、料理によっては調理時間を短縮することもできました。超軟水にして良かったと思っています」
◆超軟水は加湿器にも最適!?
原口美恵子さん(仮名)は、34歳。ウォーターサーバーを家庭に導入して3年になるという。
「ウォーターサーバーとの出合いは友人の家でした。『ハワイアンウォーター』を使っていましたね。ウォーターサーバー自体は勤め先や病院などで見かけて知っていましたが、家庭に置いてあるのを見ると何となくオシャレでスマートに見えました。そこで我が家にも置いてみようと考えたんです」
おいしい水が冷水でもお湯でもすぐに出せるということもあり、ご主人もウォーターサーバーの設置には乗り気だったとのこと。原口さんは友人が使っているのと同じ「ハワイアンウォーター」に決めた。
「日々の飲料水がグレードアップしたことで、特に紅茶をおいしくいれられるようになったことが嬉しかったですね。料理にも惜しみなく活用しました。多くの方々も普段はそうした使い方をしていると思うんですが、私はあるときふと、別のことに使ってみようと考えたんです」
原口さんはハワイアンウォーターの硬度が、1ミリグラムより少ない「超軟水」であることに注目した。
「私と子どもたちは喉が弱く、特に秋から冬にかけては加湿器が必須なんです。電気式の卓上の加湿器に水道水を入れて噴霧させていたんですが、水タンクに白い粉のようなものが蓄積してしまうんです。たまにテーブルの上にも広がっていることもありました。電気屋さんに聞くと『水道水に含まれるミネラルや塩素なので、別に害のあるものではない』ということでしたが、私はいつも気になっていたんですね」
加湿器の水として超軟水を利用するケースも!?
原口さんは「ハワイアンウォーター」の水なら、ミネラル分が非常に低いのでタンクに白い粉がつきにくくなるのではと考えたそうだ。
「実際に、『ハワイアンウォーター』を入れて加湿器を動かしてみました。すると、タンクが空になっても白い粉は付着していませんでした。ウォーターサーバーの水を加湿器に使うなんてぜいたくだと思われるかもしれませんが、気になっていたことが解決して、私としてはとても嬉しかったのです」
加湿器のタンクを洗う頻度は減り、テーブルの上に白い粉が散ることもなくなったという原口さん。飲み水としても実用としても使い勝手がいいので、今後も使い続けていくとのことだ。
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現在、出回っているウォーターサーバーの水には、超軟水、軟水、やや硬水寄りなどいくつもの種類がある。水は硬度によって、味わいや使い勝手が変わってくるので、自分の好みや生活スタイルに合った水を探してみてはいかがだろうか。