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熱中症予防の注意点…ドリンクの保存容器はここに気をつけて!

熱中症予防の注意点…ドリンクの保存容器はここに気をつけて!

 連日の酷暑が続く中、最も気をつけなければならないことが熱中症だ。予防にはこまめな水分補給が肝心だが、水をそのまま飲む、お茶やアイスコーヒーを口にするなど、対策は人それぞれだ。体への吸収がスムースということでは、スポーツドリンクなども推奨されている。ところがこのスポーツドリンク、入れておく容器によっては人体に悪影響を及ぼす可能性があるという。そこで今回は、最近の事例をもとにドリンクの保存容器の特性について調べてみた。

コスモウォーター

◆容器はしっかり洗っておくことが重要

 熱中症の予防策としては、冷房をつける、直射日光を避ける、通気性のいい服を着るなどがあるが、怠りなく水分補給をすることが何より大切だ。実際、体を動かして汗をかいていなくても常に水分は蒸発していく。涼しい場所でじっとしていても、水分は抜けていくということだ。それに気づかずに外出し、本格的に汗をかくと水分不足のスピードが高まってしまう。「とにかく水分補給をこまめに!」といわれるのは、こうした要素も一因となっている。

 汗には水の他に、人間の活動に必要な塩分や各種のミネラルも含まれているので、それも同時に補給する必要がある。そこで役に立つのが、体への吸収効率を高めた成分になっているスポーツドリンクというわけだ。ペットボトル入り製品が広く売られているが粉末タイプもあるので、自宅のウォーターサーバーの水で作ってもいい。

 自作でも既製品でも、夏場は冷蔵庫に用意しておきたいスポーツドリンクだが、先ごろ、保管方法を原因とする事故が起こった。大分県の高齢者福祉施設で、やかんに入れておいたスポーツドリンクを飲んだ70~90代の利用者13人が、体調不良を訴えて病院に運ばれたのだ。症状は軽くてすんだそうだが、県が調べたところ銅の過剰摂取による中毒症状で、原因は「やかん」にあったという。

 この施設では粉末のスポーツドリンクを、やかんの中の水で溶いて提供していた。ほとんどのスポーツドリンクは酸性なので、金属を溶かす性質を持っている。使用していたやかん自体はステンレス製だったので無関係に思われたが、さらにくわしく調べたらなんと、やかんの内壁や底に付着していた「水あか」に含まれる銅だったというのだ。

 しっかり洗って水を切っておかないと、水道水や井戸水に含まれる微量な銅が水あかとともに蓄積されていく。これがスポーツドリンクの酸によって溶かされたのだ。酸性の飲料は身近に多く存在する。レモンやミカンの果汁入りや、黒酢を使った飲料など。ちなみに酒類も、ph4前後で酸性の度合いが高い。一方、お茶やコーヒーなどはph6台でほぼ中性のため、水あかを溶かしにくい。

 調査報告によると、今回の事故は非常に珍しいケースで、めったに起きるものではないとのこと。確かに原因は「水あか」である。水あかがこびりつかないようにていねいに洗い、残った水をふき取るようにしておけば起こり得ない。

洗いにくくても、汚れをしっかり落としておきたい

洗いにくくても、汚れをしっかり落としておきたい

 ところで気になるのは、家庭でもよく見かける「銅のなべ」。熱をよく通すため広く使われているが、一般的な調理時間程度では大量の銅が溶け出すことはなく、内側にメッキ加工などのコーティングが施されているものもあるので心配ない。一般社団法人「日本銅センター」でも銅なべで注意すべきこととして、料理を長時間入れたままにしておいたり、かき混ぜるときは内壁に傷をつけないようにといったことを呼びかけている。古くなったり傷が多くなった銅なべに関しては、再生処理をすれば長く使い続けることができる。捨てる前に、専門店に問い合わせてみるといいだろう。

◆ウォーターサーバーの内部は大丈夫?

 粉末のスポーツドリンクはその都度、数百ミリリットルでも1リットルでも必要な分量が作れるのが利点だ。自作して保温ボトルに入れて出かけるのもいい。今回の大分県のケースで問題となった水あかは、ステンレスだろうとプラスチックだろうと付着し蓄積されていくが、容器の中をしっかり洗っておけば問題はない。

 常に水に触れているということでは、ウォーターサーバーの内部も同じだ。しかしウォーターサーバーを毎日のように使って通水させている限り、そのリスクは小さくなる。また、定期メンテナンスを行ってくれるメーカーも多い。

 さらに最近では、「自動クリーニング機能」を搭載したウォーターサーバーも増えてきた。これは一定の時刻になると熱水を循環させて、水の通り道をキレイにしてくれるというもの。「アルピナウォーター」の「エコサーバー」などには自動クリーニング機能が搭載されている。ウォーターサーバーの中を酸性の液体が通過することはあり得ないのだが、常にクリーンに保たれているのはありがたい。

 ただし、自動クリーニング機能の働きが及ばない部分もあるので、そこには水あかが付着する可能性がある。交換用の水のボトルなどと本体をつなぐ取水口は特に付きやすい。メーカーが推奨する清掃方法で、ときどきキレイにしておこう。

「たかが水あか」と思わず、日常に潜むリスクに注意しながら、元気に酷暑を乗り切りたいものだ。

   
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