ウォーターサーバーの安全性について
アメリカやヨーロッパでのウォーターサーバーの歴史は古く、100年以上前から普及されていました。しかし日本ではここ10年程度で急速に普及した歴史の浅いサービスです。
その理由として、世界的にも安心・安全でそのまま飲める水道水が、極めて安価に各家庭まで供給されていることがあげられます。
それでは近年急激にウォーターサーバーが普及した原因は、どのようなものがあるのでしょうか。
今回はお水そのものの安全性について詳しく見てみましょう。
注目されたウォーターサーバーの安全性
日本で供給されている水道水は、法定基準をクリアした安全なお水であり、安全だけではなく美味しいお水が飲めるように様々な工夫も凝らされているお水でもあります。
しかし1990年代末から徐々に明らかになった環境ホルモンによる環境汚染をきっかけに、一部の人々は水道水の安全性を不安視するようになり、2011年に発生した東日本大震災による福島第一原発事故によってその不安は決定的なものとなりました。
福島第一原発事故の事故の影響はどこまで広まっているのか。放出された目に見えない「放射能」はどのようなもので、どこまで拡散しているのか。
事故を起こした東京電力と、事態の収拾に当たる日本政府の公式発表が遅れたことで、正誤を問わず様々な情報が伝えられ、大きな不安と混乱を招きました。
そんな不安と混乱の中で注目されたのが、災害時の備蓄としてだけではなく、安心・安全にも答えるウォーターサーバーです。
何故安全なのか
ウォーターサーバーで使われているお水が「安全」であるとして注目された理由として、使われているお水の種類が挙げられます。
ウォーターサーバーで使われているお水は、「天然水」と「RO水」の2種類です。
このうち天然水は、地下数百メートルから1千メートルという極めて深い地層から採水される地下水を原水としているため、心配された環境汚染物質や放射能の影響が検出されないほど綺麗なお水です。
RO水は水道水などを原水としますが、1千万分の1ミリという極小サイズの孔を備えたRO(Reverse Osmosis Membrane = 逆浸透)膜でお水をろ過するため、放射能として心配される「ヨウ素131」や「セシウム137」までも取り除いた「純水」に近いお水です。
ウォーターサーバーではこれら2種類のお水を使うことで誰でも安心して飲めるお水を提供していることから、急速に普及しました。
安全への取り組み
RO膜で濾過することで放射性物質までしっかりと除去するRO水はもちろん、極めて深い地層から採水する天然水も、その特徴から放射性物質が混ざる心配はほぼありません。
多くのウォーターサーバー会社では定期的な水の検査を行い、ヨウ素やセシウムの含有量を測定しています。
万が一にでもお客様に届くお水に何かなにかあってはいけない、また、安心して使って欲しい。
その思いから、各種測定結果をホームページ内で公表しているウォーターサーバーサービスもあります。
常にクリーンなお水を飲める
1990年代末頃から話題になった環境破壊問題をきっかけに注目されたウォーターサーバーは、安心・安全のためにお水以外にも様々な部分で改善を進めています。
それらの中でも特に注目したい部分として、お水を詰める交換用ボトルと、お水を飲むために使うウォーターサーバー本体の改善が挙げられます。
ボトルへのこだわり
ウォーターサーバーで使われているボトルはリターナブル(回収・再利用)方式やワンウェイ(使い捨て)方式のように幾つかの種類がありますが、近年ではボトルに空気が入らないエアーレス方式が注目されています。
エアーレス方式は給水時にお水が入っているボトルやパックが潰れることで給水される方式であり、最後まで空気に触れないことで空気中の雑菌などが入りこまず、ボトルやパックを飲みきるまでボトル詰めしたままの美味しいお水が飲めるのが特徴です。
エアーレス方式を採用していないウォーターサーバーでも、サーバーに空気を取り込んでボトルに給気する過程で殺菌する機能を設けているため、エアーレス方式を採用していないウォーターサーバーでも綺麗なお水を飲むことができます。
サーバーへのこだわり
ボトルへのこだわりだけではなく、ウォーターサーバー本体にも様々な改善が行われています。
それらの中でも代表的なものとしては、サーバーに取り込んだ空気をボトルに給気する過程で浄化する装置や、お水が常に入っているサーバーのタンク内を殺菌するために一定間隔で熱湯消毒を行うウォーターサーバーもあります。
また、数年に1回のペースで設置してあるウォーターサーバーをメンテナンスしたものと交換することで清潔さを保つというサービスを行なっているところもあります。
おわりに
見てきたように日本の水道水は世界でも最も綺麗な水道水の1つですが、ウォーターサーバーはそれよりも安全なお水が欲しい、美味しいお水が飲みたいというニーズに応えて、注目を集めています。
ウォーターサーバーの導入を検討している方は、今一度「お水の安全性」という視点からウォーターサーバーについて考えてみてはいかがでしょうか。