「ウォーターサーバーやってきた!」までの家族の物語
一般的にも増えてきた、ウォーターサーバーのある家庭。最近、首都圏では一人暮らしのウォーターサーバーユーザーも増加しているというが、全国に目を向けると、その多くは夫婦であったり子どもがいたりといったファミリー層である。では、こうしたファミリーユーザーでは、ウォーターサーバーを導入するにあたり、誰が言い出しっぺで、誰の意見を尊重して最終的に決めたのだろうか? ウォーターサーバーが家庭に来るまでの、家族の物語を聞いてみた。
◆資料をそろえて夫にプレゼン
東京都内に住む永野良美さん(仮名)は、39歳の兼業主婦。幼稚園に通う年子の姉妹のお母さんでもある。ウォーターサーバーは昨年の夏に導入したという。
「ウォーターサーバーには数年前から興味があったのですが、子育てや仕事に追われていつの間にか忘れていました。昨年春、下の子が幼稚園に入ったことで少し余裕ができたので、ウォーターサーバーを入れることを改めて考えてみようと思ったのです」
そこですぐに取り扱いのある代理店に電話…というわけにはいかなかった。そのわけは以前、ご主人にウォーターサーバーの話をしたときに、反応があまりよくなかったからだと永野さん。
「我が家では、何か大きなものを買うときは、緊急でないかぎり夫婦で話し合うことにしているんです。ウォーターサーバーはキッチンの一角を占有しますし、水の料金も定期的に払うわけですから、夫を説得する必要がありました」
子どものためにウォーターサーバーを導入する人も多い
永野家が夫婦で協議する方式をとるようになったのは、結婚直後にコミュニケーション不足から、無駄な買い物をたくさんしてしまったからだという。「パンを買い過ぎてしまった」程度なら問題ないが、それほど使いもしないレジャー用品や家電を買ったり、よくわからない契約を結んでしまったりといったリスク回避のために、夫婦で話し合いをし検討するとのこと。
「夫を説得するために、私は資料を用意しました。ウォーターサーバーのパンフレットだけでなく、『永野家に導入したときのメリット』や、懸念される点についての解決策の文書もパソコンで作りプリントしてそろえておいたんです。まるで会社のプレゼンテーションですね(笑い)」
永野さんがご主人に伝えたかったことの要旨は次のとおりだ。
- 「子どもたちに安全でおいしい水を飲ませたい」
- 「子どもたちが水を飲みたいときにいつでも飲める」
- 「お茶だけでなく料理などさまざまなことに使える」
- 「冷水や温水が必要なときに、わざわざ冷やしたり沸かしたりする必要がない」など。
また、子どもが誤って熱湯を出してしまうことがないよう、チャイルドロック付きのものもあることも添えた。さらに、ウォーターサーバーの置き場となるリビングキッチンの一角はキレイに整理整頓して、スペースを圧迫するものではないという具体策も示した。
「その他、導入時にいくらかかるとか、ランニングコストについてもわかりやすく解説しました。2時間に及ぶ交渉の結果、夫もウォーターサーバー導入に対し、全面的に賛成してくれるようになりました。子どものためというのが効いたかもしれません」
永野さんはその翌日、さっそく念願のウォーターサーバーを発注し、設置した。お子さんたちは面白がって大喜び。ご主人もコーヒーをいれるときやウイスキーの水割り用として、毎日使っているとのこと。
「我が家のような綿密な話し合いをするご家庭は珍しいと思いますが、ご家族の間で導入について意見が分かれるときは、メリットをしっかり説明し、デメリットについては解決する手段を提示すればいいと思います」
◆両親の健康志向にアピール
神奈川県に住む48歳の大沢治郎さん(仮名)は、田舎のご両親にウォーターサーバーをプレゼントしたのだが、スンナリとはいかなかったという。
「両親とも高齢になってきたので、ウォーターサーバーがあれば楽だろうなと思ったのです。離れて住んでいますから、お湯を沸かしっぱなしにしたり、台所へ水をくみに行って転倒したりというリスクを減らせるだろうなと。実際に母が一度、ヤカンを焦がしたことがあったので余計、心配だったのです」
火を使わずにお湯が使えるのはウォーターサーバーの大きな利点
そこで大沢さんはご両親に「ウォーターサーバーを贈るから使ってほしい」と連絡を入れた。毎月の利用料や水の代金は大沢さんが負担するので、好きに使ってくれとも伝えた。
「ところが両親とも、別にいらないというんです。理由を聞いたら『お金がもったいない』とか。私は会社でももうそこそこの地位で、決して安くない給料をもらっているので何の問題もないのですが…。ヤカンを焦がしたときのうっかりミスについて話したら、逆にちょっとムッとされてしまいました。遠くに住んでいるボクらに心配をかけないように…とは考えないんですね。『子の心親知らず』です」
どうしたらウォーターサーバーを使ってもらえるかを考えた大沢さん。昨年の夏に帰省した際に、ご両親をこう説得したという。
「父も母も健康志向のところがあることを思い出したんです。そこで、高齢者が水分をとることの大切さや、水道水よりもウォーターサーバーの水のほうが安全なこともあるという話をしました。水分摂取については健康番組でもやっていたと話したら、身を乗り出して聞いてくれました(笑い)」
ご両親が納得してくれたことで、大沢さんはすぐにウォーターサーバーを実家に届けてもらうよう注文した。それからしばらくして、ご両親から「便利でありがたい」という連絡が来たという。
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実際に使ってみれば、便利で、安全・安心なおいしい水をいつでも飲めるウォーターサーバーだが、馴染みのない人にとっては、その有効性がわからないこともあるだろう。期間限定で無料お試しができるウォーターサーバーもあるので、家庭内で意見が分かれたら、そうしたサービスを利用してみるのも一つの手だ。