一般家電と比較! ウォーターサーバーの電気代調査
クリーンで安全、おいしい水が手軽に飲めるだけでなく、冷水も温水もいつでも好きなときに使えるなど、ウォーターサーバーの利点は本当に大きい。しかし、コスト面ではどうなのだろうか? 家の中にあるさまざまな家電と比較して、ウォーターサーバーの電気代について調べてみた。
◆ウォーターサーバーとキッチン家電を比較
現在出回っているウォーターサーバーのほとんどは、電源につないで使用する。主に冷水や温水を供給するためだ。また、蛇口のレバーを作動させたときに電源が入るわけではなく、常に「待機状態」で電気は消費している。そこで、まずは人気ウォーターサーバーの、月々の電気代について、ざっと見てみよう。
- ・コスモウォーター「らく楽スタイルウォーターサーバーsmartプラス」:約400円
- ・フレシャス「FRECIOUS dewo」:約330円
- ・プレミアムウォーター「スリムサーバーⅢ」:約620円
- ・サントリー「南アルプス天然水サーバー」:約700円
- ・アルピナ「アルピナ専用ウォーターサーバー」(床置タイプ):約800円
これはあくまで目安だが、その他各社のウォーターサーバーを見ても平均するとだいたい月の電気代は500~600円前後というのが相場のようだ。
さて、ではウォーターサーバーはほかの家電よりも電気代がかかるものなのだろうか? 編集部で独自に調査、分析してみた。ちなみに電気代は、1キロワットあたり25円として考える。
一般家庭を考えたときに、常に電気を流し続けていないといけない家電の筆頭は冷蔵庫だろう。そこで、大手家電メーカーの500リットルクラスの冷凍冷蔵庫の電気代を調べてみた。その結果、月々の電気代は500~600円。ほぼ、ウォーターサーバーと同じくらいと考えられる。最近は消費電力を抑えた省エネ効果の高いものが主流になってきているので、一昔前の冷蔵庫より格段に電気代は安くすむようになっている。ただ旧式になるほど電気代は高くなり、10年前に製造された冷蔵庫だと月の電気代は1000円をゆうに超える。
しかしこれは、メーカーが想定している平均的な使い方をしたときである。冷蔵庫を開ける頻度や、中にどのくらいの量の食品を入れているかで変わってくる。開け閉めが多い、ドアを開けっぱなしにする、あふれんばかりに食品を詰め込む…などしたら当然、冷やす効率は悪くなり電力も使う。ウォーターサーバーは使用頻度などによって大きな差が出ることはないが、冷蔵庫は賢く使わないとかなりムダな電気を食うことになるのだ。
◆ほかにも意外に電気を食う家電が…
キッチンまわりで、待機状態で電気代を食いやすいものとしてはほかに、瞬間湯沸かし器や電気式の給湯器、炊飯器などがある。湯沸かし器や給湯器はつけっぱなしにすると、それぞれ月に300円以上になる。
また、エアコンも電気を食う家電の一つで、もしつけっぱなしにした場合、家庭用のものでも1か月の電気代は1500円前後になる。季節によってかなり違ってくる点はあるが、フィルターの掃除をしないとか部屋の断熱が悪く外気温に左右されやすいといったことがあれば電気代はさらに上がってしまう。
キッチン家電には電力を多く使うものがけっこうある
調べていくうちに、思ったより電気を食う家電がほかにもあることがわかった。それはAVやIT機器である。たとえば、最近は録画機器としてもよく使われるようになった「外付けハードディスク」は、録画や再生をしていないときは動いていないように見えるが、データの更新などで意外とこっそり動いている。製品にもよるが、最大消費電力はだいたい1時間あたり25ワット程度。待機状態などを考え合わせて計算すると、1か月あたり約200円。さらに、ネットのブロードバンド用モデムも1か月150~200円。パソコンは最新のデスクトップタイプだと1時間あたり35ワット程度なので、1日10時間動かすとすると、1か月で約260円。ノート型の消費電力はその半分くらいだ。一般家庭に普及しているAV・IT機器を総合すれば、1か月の電気代は800~1000円くらいになると考えられる。
そうして考えてみると、ウォーターサーバーにかかる月々の電気代は、ごく一般的な家電とさして変わらない。また使用頻度による波は、冷蔵庫などよりはるかに小さいと思われるのだ。
ウォーターサーバーや冷蔵庫、モデムなどは、使っていないときに電気を切っておくわけにはいかない。しかし充電式の機器などは、充電が済んだらさっさとプラグを抜いて余分な電気を使わないといった工夫をすれば節約になる。また、二又、三つ又の電源タップの中には、使わないコードの電気をスイッチで切っておけるものもあるので、そうしたものを利用すればさらに電気代の節約になるだろう。
◆安全面にも気を配って!
常に電気を使うウォーターサーバーでは、安全面にも留意しておきたい。「一般社団法人 日本宅配水&サーバー協会」では、ウォーターサーバーを安全に使うために、以下のような注意点を呼びかけている。
ウォーターサーバーの電気代は家電としては平均的
プラグやコンセントの老朽化、電源まわりにホコリが溜まり過ぎる、コードが破損しているなどすると火花が散ったりして非常に危ない。ウォーターサーバー本体に関しては、各社とも安全対策を施しているが、コンセントなどはユーザー側で気をつけなければならない部分だ。あまり頻繁に場所を移動するものではないし、周辺の状態には気を配るべきだろう。
これから定番家電製品の一つとして、ますます定着していくと考えられるウォーターサーバー。快適に、より賢く使いこなしたいものだ。