ウォーターサーバーのお手入れ法──自分でキレイをキープする最新機能も!?
ウォーターサーバーに使われている水は、地下深くからくみあげた天然水を生成したり、高機能フィルターでろ過したりしているため、基本的にとても安全でクリーンだ。しかし、この水をいつでもクリーンなままおいしく味わうためには、サーバー本体も常に清潔である必要がある。最近では、サーバー内部を自動でキレイにする機能を搭載したモデルも増えてきた。そこで今回は、現在市場に出回っている製品の中から、この便利機能についてリサーチしてみた。
◆ウォーターサーバーの日々のお手入れ法は?
一般的なウォーターサーバーの使い方は、密封された交換用水ボトルの封を切り、サーバーの差し込み口に取り付けるというもの。ボトルからの水は、サーバー本体内のパイプを通り、冷やされたり加熱されたりして給水口(蛇口)から出ることになる。ボトルをきちんとセットしてしまえば原則、水はサーバー外の物質に触れることはほぼない。
ただ、使っているうちに自然と汚れてくる場所がある。それは、水ボトルの差し込み口の部分だ。特にそれがサーバー上部にある場合、ゴミやホコリがたまりやすくなる。また、ボトル交換のときに水をこぼしてしまうと、湿気により雑菌が繁殖する可能性もある。
しかし、差し込み口自体は外側に露出しているものなので、自分でキレイにすることは難しくはない。清掃の方法はメーカーや機種によって多少の違いはあるものの、清潔な布きんなどで汚れをふき取ってやればいい。アルコール除菌ティッシュなども有効だが、例えば「プレミアムウォーター」では「セルフクリーニングキット」という、専用の汚れ落としアイテムを用意していたりする。
サーバーの清掃には除菌アルコールが使えたりするが説明書に従おう
清掃のタイミングは何日ごとにとは一概にいえないが、ボトル交換のときに行うのがいいかもしれない。同じように本体表面もときどきは清潔な布でキレイにするのが望ましい。
さて、外側はこのように誰でも簡単に清掃できるが、サーバーの内部はどうだろうか。ウォーターサーバーは基本的に、一般ユーザーが外装を外すことはできない。日々使っていく中で、何もしなくていいのか不安に感じる人もいるだろう。実はそのために、定期メンテナンスのサービスがあったり、メーカーに清掃をオーダーすることができたりする。
だが、最近のウォーターサーバーには「セルフクリーニング機能」がついているものがあり、搭載機種自体も少しずつ増えてきている。この機能は、サーバー本体が自動的に内部をキレイにするというもの。メーカーによってその機能に違いがあるので、具体的に見ていこう。
◆サーバー内の空気までクリーンに!
生物の弱点の一つとして「高温環境」がある。60度、70度、あるいはそれ以上の熱が加えられるとタンパク質が変性し、細胞が機能しなくなるからだ。雑菌にしても同様で、その多くは高温で死滅する。この原理を利用しているのが、加熱による殺菌だ。ウォーターサーバーの水に関しても、くみあげた天然水を加熱処理して製品化していることが少なくない。
雑菌の繁殖リスクを減らすため、ウォーターサーバー内部を熱湯で自動的に除菌する機能を搭載したものとしては以下が挙げられる。
「プレミアムウォーター」の「amadana」とコラボしたデザイン性の高いモデルには、「加熱クリーンシステム」が搭載されている。これは、温水タンク内のお湯を冷水タンクにも循環させて殺菌を行うというもので、冷水タンク内を約70度にして、その状態を2時間維持する。ただし開始から終了まで4時間かかり、その間はサーバーを使うことはできない。
「フレシャス」の「フレシャスdewo」の場合は「フレッシュ機能」という名称だ。サーバー内の温水を定期的に循環させることで温水・冷水の滞留を防ぎ、いつでも新鮮な状態を保つもので、この機能が作動している間は安全のため水を出すことはできなくなっている。さらに、サーバー内はエアレス構造といって外気を極力遮断しているので、雑菌などがもともと入りにくくなっているのも特長だ。
「コスモウォーター」の高機能サーバー「smartプラス」の場合は、48時間ごとに熱水を自動的に循環させる「クリーンサイクル」というシステムがある。水ボトルから内部タンクにつながるパイプなどを2日に1回、熱水がグルッと回ってキレイにしてくれる機能だ。それと、「クリーンエア」という、タンク内の空気をクリーン処理する機能も搭載。ちなみに、この技術は特許を取得している。
ウォーターサーバーの水にとって大敵である雑菌は、空気中にも存在している。本体のタンクやパイプの密閉性が高くても、わずかに外気が入り込むことはあり得る。空中を浮遊していた菌が入り込んだときのことを考えて少しでも安全性を高めていこうという、こうしたコンセプトのサーバーも増えてきているのが現状だ。
キレイに見える空気にもさまざまな物質や微生物が浮遊している
ウォーターサーバーそのものは、それほど複雑な構造を持った機械ではないが、ユーザーの手が届かない部分は多い。そうした場所を日常的に清潔に保つ技術は、日進月歩で進んでいる。自動クリーン機能も今後、ウォーターサーバーにとってはデフォルトの装備としてさらに広がっていくと考えられる。新たにウォーターサーバーを選ぶときは、水質や料金、デザインだけでなく、こうした部分にも目を向けてみてはいかがだろうか。