ウォーターサーバーの水ボトルは大容量派? コンパクト派? その違いはどこに…?
ウォーターサーバーは、メーカーから宅配される水の交換ボトルをサーバー本体にセットして使う。ボトルの容量は一律ではなく、メーカーによって違ったり、同じメーカーでも容量違いのボトルを用意していたりすることが少なくない。そこで今回は、水の容量の違いをどうセレクトしたらいいのかを、東京都内のウォーターサーバー愛用者を対象にリサーチしてみた。
◆小容量ボトル派の意見は?
ウォーターサーバーの水ボトルは5リットルや10リットルという単位ではなく、7.2リットルとか12リットルなど、何となく中途半端な容量のものが多い。これには、米国の単位「ガロン(1ガロンは約3.7リットル)」を元にしていたことが理由の一つとしてある。今回のリサーチでは、10リットルを境に大容量と小容量とに分けてみた。
35歳の前田啓子さん(仮名)は、「キララ」を愛用している。
「サーバー本体がオシャレなのと、炭酸水が作れる点が一番のポイントだったんですが、水のボトルがあまり大きくないことも、いいと思ったんです。実は70歳になる母と同居していて、私が仕事や旅行で長期不在のときにボトル交換をするのに、あまり重たいボトルだと母が苦労するだろうと」
前田さんの母親は健康状態は良好だが、左手の指に多少しびれがあり、自由に動かせないこともあるという。
「キララのボトルは7.2リットルです。重さにすると7キロちょっと。これくらいなら母でも何とか持てる重量ですし、二人で水を使うのにも少なすぎない量だと思っています」
実際、母親一人での水ボトル交換もスムーズにできているとのことで、前田さんの選択は間違っていなかったようだ。
水の重さは1リットル=1キロ。そこに空ボトルの重さを加えたのが総重量
また、28歳の仲村仁美さんも、小容量ボトル派だ。
「ウォーターサーバーは勤め先に置いてあったので、ずっと使ってみたいと思っていたんです。ただ一人暮らしだと水の分量的に、もて余してしまいそうな気がしていました。そこが気になって、なかなか導入に踏み切れなかったんですが、調べているうちに『シンプルウォーター』を見つけました」
「シンプルウォーター」のボトル容量は6.2リットル。数あるウォーターサーバーブランドの中でも最少クラスだ。仲村さんは、このくらいの容量だったら十分と判断した。
「それに、『シンプルウォーター』では水の消費ノルマが設定されていないことや、サーバーが卓上型でコンパクトなのも、私のような単身世帯には向いていると感じました。毎日、お茶やコーヒーをいれて楽しんでいます」
◆大容量ボトル派の考えは?
では、もう一方の大容量ボトルのほうが便利だという人の考えを聞いてみよう。
43歳の森野香苗さん(仮名)は、3年ほど前から「うるのん」を愛用している。
「長年、水道の蛇口に浄水器を取り付けていたんですが、それが壊れてしまったんです。買い替えようかとも思いましたが、ウォーターサーバーの水のほうが体にもよさそうだと考えて、思い切って導入することにしました」
森野さんのご家族は、ご主人と中学生の息子さんが一人。特に息子さんは成長期なので、体に取り入れる水は、できるだけクリーンで安心できるもののほうがいいと森野さんは考えた。
「せっかくなので、ただの飲み水としてだけでなく、日常の料理や炊飯にも活用しようと思いました。そうなると必然的に使う量が多くなります。そこで、大容量ボトルであることが、ウォーターサーバー選びの条件として重要になってきました」
その結果が、12リットルボトルが用意されている「うるのん」だった。息子さんは帰宅後に水を飲むことも多いので、もし小さいボトルだったら交換頻度が増えて大変だっただろうと、森野さんは話している。
ライフスタイルによって求める水の容量が違ってくることも
38歳の川崎冬美さん(仮名)も、水ボトルの容量は大きいほうがいいと考えている。
「わが家は夫との二人暮らしで、ともに会社勤めをしています。土日に出勤することもあって、家に誰もいないことも少なくありません。ウォーターサーバーを選ぶときに、大容量のほうがボトルを配達してもらう頻度が少なくて済むんじゃないかと考えたわけです」
川崎さんが最終的に選んだのは「富士の湧水」だった。水のボトルは12リットルと8リットルがあるが、12リットルを愛用しているという。
「『富士の湧水』のボトルが使ったら捨てられる『ワンウェイ方式』なのも、わが家のライフスタイルに合っていると思いました。12リットル入りだとさすがに重く感じますが、水ボトルの交換は力持ちの夫の担当にしているので問題ありません(笑い)」
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ウォーターサーバーを選ぶとき、さまざまな条件を考慮しながら絞り込んでいくことになる。料金、水の質、サーバーのサイズやデザイン、使い勝手、使用後のボトルの処理方法、アフターサービス、配送地域などなど…。それ以外に水ボトルの容量というのも、決して無視できない要素なのかもしれない。実際のウォーターサーバーユーザーの話を聞いていると、単にボトルの重さだけでなく、その家庭のライフスタイルにも関係しているようだ。
これからウォーターサーバーを導入しようとする人や乗り替えを考えている人は、ボトルの容量が自分に合っているかどうかも、検討要素の一つに加えてみてはいかがだろうか。