ウォーターサーバーの水 一歩進んだ自分流こだわりアレンジ術
安全でクリーンにボトリングされ、家庭に届けられるウォーターサーバーの水。当然、水道水のような残留塩素やカルキ臭の心配はない。日本国内でサービス提供されているものは、ほとんどがミネラル分の低い軟水で、まろやかでスッキリとした飲み口が特長だ。海外の硬度が高いミネラルウォーターのような独特のクセもない。つまり「他の素材と組み合わせやすい」といえる。今回は、そんなウォーターサーバーの水を自分流にアレンジをしている人たちに、その方法を聞いてみた。
◆ミネラル分を追加
田原育子さん(仮名)は、31歳。かねてから健康志向で、運動や食生活、睡眠などに気をつかってきた。そのため、健康に関係する商品への関心も高い。そうした中で「体にいい水」を使いたいと、1年前にウォーターサーバーを導入した。
「ウォーターサーバーにはいろいろな種類があり、それぞれの会社で水にも工夫をこらしています。私が選んだのは『アルピナウォーター』でした。理由は限りなく純粋な水に近いからです」
一見、何も入っていないように見える水でもさまざまな成分が含まれている。その一つがミネラルだ。特にカルシウムとマグネシウムの1リットルの水に対する含有量は「硬度」という基準で表される。有名なエビアンは、これらのミネラルが300ミリグラム入っている。
「ミネラル分が多いほうが健康志向の私に向いていそうですが、私には考えがありました。それは『自分の好みのミネラルウォーターを作りたい』ということでした。ですから、最初からミネラルの量が多い水でないほうが良かったんです」
田原さんは普段はそのままの「アルピナウォーター」を飲んでいるが、ときどき市販されている粉末のカルシウムなどのミネラルを溶かして飲むという。1日の用量が決まっているので過剰に摂ってしまわないように、ベースになる水自体の硬度は限りなく低いことが理想だった。
「水の中に溶けているミネラルは肉眼では見えません。オリジナルのミネラルウォーターを自分で作っていると、体に対して必要な栄養を与えてやっていることが実感できます。ウォーターサーバーを使ってみて良かったと思えることの一つですね。次は最近話題の、海洋深層水の粉末を試してみようかと思っています」
水に溶かすミネラルや栄養素の粉末も多く市販されている
◆竹炭を入れて
30歳の菊川久美さん(仮名)は、マイボトルにウォーターサーバーの水を入れて出かけるのが日課。しかし水だけを入れて出かけるわけではないとのこと。
「竹炭を、ボトルの底に沈めています。以前は水道水の水を使っていて、竹炭が不純物をろ過してくれて、香りも良くなるというので入れていました。ウォーターサーバーの水は塩素のニオイもなくもともとおいしいのですが、飲むときにほのかに立ち上る竹炭の香りが気に入っているので、今でも入れているんです」
菊川さんによると、竹炭によって水道水は独特の味やニオイはなくなっていたが、ウォーターサーバーの水のほうが、やはり舌触りや喉ごしがいいという。
「友人からは『最初からおいしい水なんだから、竹炭は入れなくてもいいんじゃない?』と笑われますが、私としては『おいしい水だからこそ、自分なりのアレンジをしたい』って思うんですよね(笑い)」
◆ミントを浮かべて
大田清美さん(仮名)は41歳。会社に勤務しながらご主人とお子さんの世話もする、忙しい兼業主婦だ。「クリクラ」のウォーターサーバーを2年前から使っている。
「数少ない私の癒しの一つが、ベランダで植物を育てること。マンションなので鉢植えしかできないんですが、バジルやローズマリーなどのハーブ系の植物が好きなんです。ちぎって料理にも使えますし(笑い)」
ハーブの育成を楽しみながら、大田さんはちょっとしたアイデアを思いついたという。
「鉢植えからちぎったミントの葉を、ウォーターサーバーの水に浮かべてみたんです。いわゆるフレーバーウォーターみたいなもので、珍しいものではないんですが、サラッとさわやかになって『これはイケる!』と思いました。うちは油っこい洋食や中華をよく食べるので、食後に口の中をサッパリさせるのにも良さそうでした」
ただ、大田さんはミントをたくさん入れて本格的なフレーバーウォーターにはせず「ほんのりとミントの香りと味がする」程度の量にとどめたという。ご主人やお子さんは、あまりミントの香りが強い水を好まなかったからという。
ミントは水やお茶のアクセントとしてよく使われる
「一度、水道水で作ったらどうかと、ミントの葉を浮かべてみました。確かに同じような水は出来上がるんですが、どこかカルキ臭が残ってしまうことと、思ったほど柔らかい味にならないんです。やっぱり、飲みやすさが追究されたウォーターサーバーのおいしい水のほうがいいですね」
ミントが優しく香る水は、大田さんの仕事や家事の疲れも癒してくれるそうで、一石二鳥の役割があるという。
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水の味や特長を損ねることなく、ウォーターサーバーの水のおいしさを活かしたいろいろな使い方があるようだ。いつでも好きなだけ飲めるお気に入りの水が身近にあることを活かして、自分なりの一歩進んだ「水ライフ」を探してみるのもいいかもしれない。