日大や明治も! 大学ブランドのオリジナル名水コレクション<パート2>
オリジナルの商品開発をしているのは企業ばかりではない。独自の研究組織やネットワーク、マンパワーを持つ大学もその一つ。実は各地の大学でここ数年、ミネラルウォーターを開発・販売している学校が増えているのだ。早稲田や立教ブランドのミネラルウォーターをご紹介した前回の記事に引き続き、さらなる大学ブランドのオリジナルの水について調査してみた。
◆日本大学の「日本大学 富士の天然水」
大学のオリジナル商品といえば、校章の入ったTシャツやノートなどのグッズを思い浮かべる人も多いだろう。しかし最近では、食品や飲料などにも大学名を入れ、校内やネットで販売する動きが広がっている。それでは、どんな「大学水」があるのか見ていこう。
2019年に創立130周年を迎える、日本屈指のマンモス校である日本大学。学生数や卒業生数だけでなく、学部・学科も多岐にわたり、校舎は東京を中心に関東一円から東北、東海地方まで分布している。
「日本大学 富士の天然水」は、静岡県富士宮市にある同大の生物資源科学部「富士自然教育センター」が保有する井戸の水を使っている。もともとは養魚技術や環境保全などの研究活動のために掘られた井戸だったが、それ以外に大学や附属の高校や中学に提供しようということになり、その一環でオリジナルウォーターとして商品化された。
富士山麓周辺には、環境省の「日本の名水100選」に選ばれるような名水の産地が多いだけでなく、希少ミネラルのバナジウムが含まれている水が産出される。そのため、飲料メーカーやウォーターサーバーメーカーの採水地も多い。「うるのん」「コスモウォーター」「フレシャス」「富士桜命水」などのウォーターサーバーには、富士山麓の水が使われている。
研究のために良質の水を求めてくみ上げられたこの天然水、同大の売店や自販機で購入が可能だ。派生商品として、オリジナルの炭酸水もある。
「日本大学 富士の天然水」は、24本入りで2400円(税込み)
◆明治大学の「明治大学ウォーター」
東京の6大学の一つである明治大学で販売されているのは、その名も「明治大学ウォーター」。南アルプス山系の伏流水を、ナチュラルミネラルウォーターの規格に合うように精製している。
硬度は69ミリグラム。硬度とは1リットルの水に含まれるマグネシウムとカルシウムの量で、120ミリグラム以上だと「硬水」と呼ばれる。それ未満は「軟水」だ。ウォーターサーバーに使われている水の多くが30ミリグラム以下の軟水であることや、水道水は平均すると50ミリグラム前後になることから、同大の水は比較的硬水寄りである。同じ南アルプスから採水している「サントリー南アルプスの天然水」の硬度は約30ミリグラムだが、採水地によって違いが出ることは少なくない。
同大構内の売店などで購入できる他、ネットショップで500ミリリットル入りペットボトル24本セットを買うことができる。売上の一部は奨学金として、同大に寄付されるとのこと。
「明治大学ウォーター」100円(税込み) ※画像は公式サイトから
◆東京都市大学のオリジナルウォーター
東京都世田谷区の東京都市大学では、オリジナル商品群「都市大グッズ」の一つに、プライベートブランドのナチュラルミネラルウォーターを加えている。中高年以上の人は、同大の名前にあまりなじみがないかもしれないが、2009年に武蔵工業大学と東横学園女子短期大学が統合されてできた大学だ。現在は文系学部もあるが、科学的な研究と開発が得意な工業大学の伝統を受け継いでいる。
500ミリリットル入りペットボトルのラベルには、特に名前は見当たらない。その代わりに「超える、つながる、その夢に。」という、未来への希望を感じさせるメッセージがプリントされている。学校名が控えめに記載されているのが、他の大学水と大きく違う点の一つだろう。
世田谷区や横浜市にある、同大の売店で購入することができる。500ミリリットル入りペットボトルで90円(税込み)。
母校の水で水分補給?
◆聖マリアンナ医科大学の「マリアンナ水」
医療系の大学でも、オリジナルウォーターを開発する動きが拡大している。神奈川県川崎市に本拠を置く、聖マリアンナ医科大学にも、オリジナルブランドのナチュラルミネラルウォーターがある。製品名は「マリアンナ水」という。名前の響きがすでに神々しく、ありがたいような印象を受ける。
採水地は長野県安曇野市。槍ヶ岳や穂高といった山々を望み、ワサビ作りが盛んな場所だ。ワサビは水がキレイな場所でしか順調に育たないので、同地の水質の良さは申し分ないといえる。北アルプスに囲まれ、もともと名水の産地としても知られている。ウォーターサーバーでは「アルピナウォーター」や「信濃湧水」は、安曇野市の上流にあたる場所に、採水拠点を設けている。
同大や附属施設の自販機、売店でペットボトル入りの「マリアンナ水」を買うことができる。もし附属病院などで見かけたら、味わってみてはいかがだろうか。
「マリアンナ水」100円(税込み) ※画像は公式サイトから
各大学とも、採水地や水質についてよく調査し、研究の成果を生かしたオリジナルブランド水を作っている。これらの大学は、東京都内を中心に1日あれば回ることもできるため、「大学水の飲み比べ」にチャレンジしてみても面白いかもしれない。