お茶達人たちのこだわりウォーターサーバー利用術
ウォーターサーバーの水は、そのまま飲用として用いられる以外で多い使われ方は「お茶をいれること」だろう。日々の緑茶、紅茶、コーヒーなどの楽しみが広がったという声も多く聞く。そこで、実際のウォーターサーバーユーザーに、ティータイムのウォーターサーバーの使い方を聞いてみた。
◆高級抹茶に合う水が欲しかった
栗原美津子さん(仮名)は、埼玉県に住む46歳の主婦。茶道の心得があるので、近所の知人を家に招き、たびたびお茶会を開いている。
「中学生のときに茶道部に入ってから高校、大学と続け、社会人になってからもお茶の先生のもとに通ったので、一通りのことはできるんです。近所の人たちにそのことを話していたら、お茶に興味のある人が意外といて、3年前からお茶会を開くようになったんです」
栗原さんの自宅には10畳の和室があり、家具などもそれほど置いていないため、そこを茶室として使っているそうだ。湯は電気コンロの上に置いた茶釜でわかしている。
「お茶会を始めた当初は、お茶をたてるための水は水道水を使っていました。特に問題はなかったんですが、グレードの高い抹茶を入手したときに気がつきました。なんとなくカルキ臭がお茶の風味を邪魔しているんじゃないかと。そこでペットボトルのミネラルウォーターを使ってみたんですが、海外製の硬度の高いものを使ったせいか、失敗でした」
高級な抹茶は、おいしい水でたてたい
ちょうどそのころ、ご主人がウォーターサーバーを入れてみたいと言っていたため、栗原さんは「これはお茶にも使える!」と賛同。早速、ウォーターサーバーをオーダーしたという。
「設置後まず試したのは、抹茶との相性です。当然ですがカルキ臭さもなく、味も香りも損なわれていませんでした。これなら高級抹茶にも対応できますし、いいお菓子にも合うだろうと思いました」
その直後に開催したお茶会ではウォーターサーバーの水を使ったという栗原さん。水の味以外でいいと思ったのは、お湯が出せる点だ。ウォーターサーバーの温水を茶釜に移せば、わかす時間の短縮になる。
「私がウォーターサーバーから水を移しているのを見た人が『うちでも置こうかしら』なんて言っていました。ごはんを炊いたり料理にも使えると話したら、がぜん興味がわいたようで、どうも翌月には導入されたみたいです(笑い)」
◆紅茶をよりおいしく飲むために
39歳の谷村佳代さん(仮名)の、ウォーターサーバー歴は2年。紅茶をいれるために導入したという。その理由は、谷村さんは自他ともに認める「紅茶マニア」。20代のころに紅茶の魅力に目覚め、そのためにイギリスやインドに旅行した経験もあるほど。
「紅茶は産地や茶葉、ブレンドの違いなどでものすごい種類があり、それだけでちょっとした図鑑ができてしまうほどです。うちにはいま40~50種類くらいの紅茶があり、その日の気分でいろいろな紅茶を楽しんでいます」
紅茶のいれ方にもこだわりがある谷村さん。紅茶専用の道具だけでなく、水も適したものがいいと考えた。そこで、ウォーターサーバーを置くことに決めたそうだ。
「紅茶をいれるために水道水を使ったことはありませんね。以前はペットボトルの水を買っていましたが、毎日何杯も飲むわけですから、ちょっとわずらわしかったんです。ウォーターサーバーなら、替えタンクが残り少なくなってきたときに注文さえしておけば、心おきなく使えます」
実は欲しいと思った時点で、家庭用ウォーターサーバーにはそれなりにバリエーションがあったものの、谷村さんは水質やデザイン、機能、料金などで納得がいくものが出てくるのを待っていたとのこと。ようやく自分の理想に合ったウォーターサーバーがリリースされたため、決心がついたという。
「ウォーターサーバーを家に置いたら、以前よりも紅茶を飲む量が増えたみたいです(笑い)。『おいしい水をふんだんに使える』という安心感が、そうさせるのでしょうか。紅茶をいれるだけでなく、複数の紅茶をテイスティングする際の“口直し”の水としても使っています」
谷村さんは、現在使っている水に不満はないが、より紅茶に合いそうな水があれば、乗り替えを検討するかもしれないとのことだ。
硬度の低い水のほうがお茶の抽出には向いている
◆ハーブティーのための水を厳選
東京都に住む26歳の森川輝美さん(仮名)は、ハーブティー好きが高じてウォーターサーバーを入れたという。
「ハーブティーは普通の茶葉と違って、もっと“草っぽい”ものがあります。中には抽出しにくい性質の植物もあるんです。そうした場合は硬度の低い水を使うといいと聞いて、ウォーターサーバーの水に目を付けたんです」
水にはカルシウムやマグネシウムなどのミネラルが溶け込んでいる。これらのミネラルが多くなれば、硬度が高く、少なければ低いということになる。ミネラルの含有量が多くなると茶葉への浸透の関係で、抽出しにくくなることが一般的に知られている。
東京の水道水の硬度は50~60程度。緑茶や紅茶をいれるには問題のない硬度だが、森川さんはもっと硬度が低く、抽出力の高い水を求めた。
「そこで、できるだけ硬度が低い“超軟水”の水を使っているウォーターサーバーを選びました。実際に試してみると、それまで抽出しづらかったハーブもよく出るようになって、以前よりおいしく飲めるようになりました」
おかげで森川さんは、ハーブに関する探究心がさらに増したという。
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最近では、同じメーカーのウォーターサーバーでも、いろいろな種類の水を扱っているところが増えてきた。自分の味覚や趣味にかなった、こだわりのベストな水を探してみてはいかがだろうか。