冬の朝には欠かせない! カップスープをよりおいしく味わうコツ
寒い時期にうれしいものといえば何を思い浮かべるだろう。鍋物、シチュー、おでん…? 中でも手軽に作れて満足度の高いものの一つが「カップスープ」ではないだろうか。マグカップとお湯があれば、いつでもどこでもすぐにおいしいスープを作ることができる。そこで、有名ブランド「クノール(R)カップスープ」を発売している味の素株式会社に、カップスープをよりおいしく楽しむ秘訣を聞いてみた。
◆しっかり溶かすポイントは?
同社が「クノール」ブランドのスープの販売を始めたのは、東京オリンピックが開催された1964年のこと。当時は鍋に牛乳を入れて作るクッキングタイプのスープだった。現在のように、カップに入れてお湯を注いで作る形式のインスタントスープが発売されたのは1973年のこと。
同社家庭用事業部の加工食品グループ長、古賀大三郎さんに、おいしい作り方を聞いてみた。
「『クノール カップスープ』は、1袋に対し、沸かしたてのお湯150ミリリットルがベストです。お湯を注いだらすぐに15秒間、カップの底のほうからよくかき混ぜてください。これでスープがダマになることを防げます。スープのとろみを出しているのは『デンプン質』で、熱が加わるとトロッとしてきます。このときによく混ぜれば、お湯にしっかりと溶けてくれるのです。お湯を注いだ後のキーワードは『すぐ! よく! 15秒!』ですね。スープは70~80度が一番おいしく飲める温度なので、この15秒の間にちょうどいい温度になってきます。冬は冷えているカップを温めておくと、お湯の急激な温度低下を避けられるのでオススメです」(古賀さん、以下「」内は同)
ベストな作り方といっても、特別な技術が必要なわけではない。パッケージに書いてある通りにすればいい。ダマになったり溶けきらなかったりするのは、「すぐ」と「よく」を実践していないからだ。コーンの粒やキノコが入っているタイプのスープの場合は、かき混ぜた上で1分間待ってから飲む。
「実際は1分も待たなくてもフリーズドライの具は戻ることが多いんですが、確実に柔らかくなる時間として1分間を設定しています。コーンが固いと感じている方は、1分経ってから飲んでみてください」
◆溶けやすくする工夫とおいしさの追究
「クノール カップスープ」の販売開始から半世紀以上。その間、より溶けやすくするための工夫と改良がおこなわれてきた。
ロゴもおなじみの「クノール カップスープ」
「『粉末スープ』という表現をされることがありますが、くわしくいうと「クノール カップスープ」の袋に入っているのは『粉末』ではなく『顆粒』なんです。粉末というのは素材を砕いたり削ったりして作られるものですが、顆粒は『粒を作ったもの』なんです。一粒一粒が、スープ原料のかたまりになっていると考えてください。この形のほうがお湯が入り込んで溶けやすいのです。粉と顆粒の違いはたとえるなら砂と砂利の違いのようなものです。細かい砂には水は浸み込みにくいのですが、砂利だとスーッと入っていくからです」
スープの粉末に調味料や油などを加えて、お湯にホロホロと溶ける顆粒を作る技術の進歩により、今では手軽にクオリティの高いスープなどを飲むことができるのだ。こうした技術は、同社の「ほんだし(R)」や「鶏がらスープの素」、味の素AGF社のインスタントコーヒー「ブレンディ(R)」などの製品にも応用されているという。
もちろん溶けやすさだけではなく、スープの素材にもこだわっている。
「『クノール カップスープ』<コーンクリーム>には、契約農場で栽培している『スーパースイートコーン』という甘みが強い品種のトウモロコシを採用しています。これを収穫して24時間以内に工場でパウダー化します。時間が経つと劣化してしまうので、スピード勝負です」
工場の能力には限界があるので、栽培の時期を少しずつずらして、収穫しては新鮮なうちに加工することを繰り返すとのこと。1年のうち8~9月の40日くらいしかできない作業で、その期間は工場がフル稼働する。
「発売当初、コーンクリームのスープは世界でも珍しく、国内にはもちろんありませんでした。このスープのパイオニアとして、これからもおいしい製品を提供し続けていきたいと思っています」
こうして私たちの手元に届くスープ。せっかくだから、おいしい水でよりおいしくいただきたい。パン朝食などに欠かせないカップスープ、慌ただしい朝だけに冷水もお湯もすぐに使えるウォーターサーバーがあればさらに便利だ。
◆オススメ! アレンジメニュー
「クノール カップスープ」は、そのまま飲む以外に、料理の材料としても使うことができるのをご存じだろうか? 各種のスープを使った簡単レシピを教えてもらった。
●コーンクリームフレンチトースト
【材料(2人分)】
フランスパン(3センチ幅の斜め切り)4枚、「クノール カップスープ」コーンクリーム1袋、溶き卵1個分、牛乳100ミリリットル、バター適量
【作り方】
- 1.ボウルに「クノール カップスープ」、溶き卵、牛乳を入れて混ぜ合わせ、パンを加えてしみ込ませる。
- 2.フライパンにバターを熱し、「1」のパンを入れて両面をこんがりと焼く。
●ほうれん草とコーンのチーズグラタン
【材料(2人分)】
ほうれん草3株、「クノール カップスープ」つぶたっぷりコーンクリーム2袋、熱湯150ミリリットル、プロセスチーズ(1センチ角)40グラム
【作り方】
- 1.ほうれん草はさっとゆで、4センチの長さに切る。小さめの耐熱容器に「クノール カップスープ」を1袋ずつ入れ、熱湯を半量(75ミリリットル)ずつ加えてコーンソースを作る。
- 2.「1」の耐熱容器に、ほうれん草を半量ずつ加えてチーズを乗せる。
- 3.オーブントースターで約5分、表面に焼き色がつくまで焼く。
参考サイト
- レシピ出典:味の素株式会社「レシピ大百科」
- クノール:ブランドサイト