ウォーターサーバーを徹底比較!

おいしい水を作り出す自然界の不思議──地層と岩石について注目してみよう!

おいしい水を作り出す自然界の不思議──地層と岩石について注目してみよう!

 ウォーターサーバー用の水として多く使われている天然水は、地下深くからくみ上げられたもので、何十年もかけて地中に染み込んでいった水だ。もともと地上に降り注いだ水は地層や岩石の間を通過するうちにろ過されるが、おいしい水を作り出す要素の一つとしてそうした地層や岩石の種類も深く関係しているようだ。そこで今回は、おいしい水と地層や岩石の関係について見ていこう。

コスモウォーター

◆マグマがゆっくり冷えて固まった岩石

 地上に存在する川や湖の水は、一見キレイに見えてもいろいろなものが混入している。落ち葉や昆虫、プランクトンなどなど。目には見えない菌やアメーバなどの微生物も生息していることがあるし、重金属や化学物質などの人体に有害な物質が入っている可能性もある。最近ではマイクロプラスチックという、直径1ミリ以下の微細なプラスチック片も問題となっている。つまり、山の清水が澄んでいてキレイだからといって、そのまますくって飲んでしまうのはオススメできないということだ。

 では地下水はどうだろうか。地上から数メートル程度の深さでは、微生物や土砂など地上環境の影響を受けてしまうことがあるが、数十メートルあるいは数百メートルの深さとなると、リスクは小さくなってくる。その理由は、地盤自体が持つ「ろ過」の作用だ。

 地下深くに存在する水は、その多くが何年、何十年とかけて地上に降り注ぐ雨や川、湖などから浸透していったものだ。そのため、砂や岩によって、ゴミや汚れが徐々にフィルタリングされていく。また、生態系が作られにくい地下深い場所では、生物による汚染の心配も少なくなる。

 そうした天然のろ過装置の中で、特にミネラルウォーター用の水と関係が深い岩石がある。それが「花崗(かこう)岩」だ。ではまずは、その「花崗岩」の性質を見ていこう。

 国立研究開発法人「産業技術総合研究所(産総研)地質調査総合センター」が発表している資料によると、花崗岩は火成岩(マグマによって作られる岩石)の1種で、その中でも地下でゆっくり冷えて固まったものだという。粒子のサイズは比較的大きく、重量は軽い。

 石英や黒雲母、白雲母などが含まれているため、「御影石」と呼ばれ、石材としての利用も多い。国会議事堂の一部にも花崗岩が使われている。白と黒の細かい粒子が散らばり、見かけはキレイな花崗岩だが、風化すると崩れやすいという性質がある。崩壊した花崗岩は「真砂土(まさつち)」と呼ばれるようになり、しっかり固まることができないため、斜面の真砂土は土砂崩れの原因となる。

白い石英や黒雲母などが混在しマーブル模様のルックスを持つ花崗岩

白い石英や黒雲母などが混在しマーブル模様のルックスを持つ花崗岩

◆ウォーターサーバーの採水地の地層は?

 調べてみると、この花崗岩が地中に存在しているエリアに、ウォーターサーバーの採水地がいくつもあることがわかる。くわしく見ていこう。

 まず、サントリーの「南アルプスの天然水」。長年、ペットボトル入りミネラルウォーターでも親しまれてきているこの水は、その名の通り南アルプスの採水地から届けられている。

 南アルプスを代表する標高2967メートルの甲斐駒ヶ岳は、花崗岩でできている山で、この地域には花崗岩が広く展開していることがわかっている。同社の解説によると採水地の地下にも花崗岩の層があり、南アルプスに降った雨や雪が20年以上もかけて岩石層でろ過されることによって、適度なミネラル分を含んだ地下水となるという。花崗岩だけでなく、さまざまな岩石や土を通り抜けていくことで、さらにブラッシュアップされた水が自然に生成されていくようだ。

※サントリー南アルプスの天然水ウォーターサーバーは販売を終了しています。

 一方、同じ中部地方で水をくみ上げている「信濃湧水」。こちらは北アルプスの、標高1220メートルにある「矢沢水源」の水を使用している。人間の手がほとんど入らない自然豊かな環境のため、クリーンな水質が特長だ。地下には花崗岩や堆積岩(地表の岩石が地下に沈んだり積みあがったりしてできた岩石)が広がり、これらを通過した雨や雪の水が澄んだ地下水になるという。これも数十年単位でろ過され、おいしい水になっていく。

   

プレミアムウォーター」の島根県浜田市金城(かなぎ)町の採水地の地下700メートルにも花崗岩層が存在する。

    地層によって地下水の水質は変わる

地層によって地下水の水質は変わる

 こうした事実から、花崗岩があるエリアにはいい水が存在するということがご理解いただけるのではないだろうか。

 また、花崗岩の地層を通った水には、ある特長があることが判明している。それは、ミネラル分の比率だ。水は無色透明に見えても、マグネシウムやカルシウムなどさまざまなミネラルが溶け込んでいる。天然水の場合、くみ上げられた地域の地層によってそれに違いがあり、花崗岩層では鉄やマグネシウムは少なくなる傾向があるという。

 ミネラルの中には味覚を有するものがある。鉄やマグネシウムは渋みや苦みを感じるとされ、これが多量に含まれると水の味に影響する。そういった意味では花崗岩層の水は、比較的すっきり飲みやすい水ということになるだろう。

 自分が日常飲んでいる水の産地の、地層が何であるかを気にする人は多くないだろう。でも好みに合った水を見つけたとき、その採水地がどんな地層かを知っておくと次の水選びの参考になるかもしれない。

   
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