ウォーターサーバーを徹底比較!

ウォーターサーバーの水でフルーツウォーターを作るなら…? 果物の栄養素を採点してみた!

ウォーターサーバーの水でフルーツウォーターを作るなら…? 果物の栄養素を採点してみた!

 ウォーターサーバーに使われている水は安全性とおいしさを兼ね備えており、そのまま飲むのももちろんオススメだ。しかし、そこに自分なりのアレンジで一手間加えて味わう方法もある。その1つにフルーツウォーターがある。香りだけでなく成分も水に溶け出して風味も変化するが、入れる果物の性質によってどんな違いが出るのかについて今回は調べてみた。

コスモウォーター

◆成分を抽出しやすい軟水

 ウォーターサーバーの水はいずれも「安全安心でおいしい」と高い評価を得ているが、それ以外にある共通の特性を持っている。日本で流通しているウォーターサーバー用の水は、ほぼどの銘柄も「軟水」であることだ。

 軟水とは、水に含まれるミネラル成分であるマグネシウムとカルシウムの量が少ない水のこと。1リットルの水に何ミリグラム入っているかが指標となる。具体的な数値で示すと、WHO(世界保健機関)では120ミリグラムを境に、それより多いものが硬水、少ないものを軟水としている。日本で産出される水のほとんどは、ミネラルの含有量が少ない軟水であることが知られている。日本人の舌に長年、なじんできた水質ともいえるだろう。

 天然水由来のウォーターサーバーの水を例に取ると、「アクアセレクト」が30ミリグラム、「プレミアムウォーター 富士吉田の水」は25ミリグラム、「フレシャス富士」は21ミリグラム、「信濃湧水」は16ミリグラムとなっている。おおもとが川やダムの水である東京都の水道水の硬度は、だいたい50~60ミリグラム前後だ。

多くの日本人がなじんできた「水の質」とは?

多くの日本人がなじんできた「水の質」とは?

 こうしてみるとウォーターサーバーの水は、軟水の中でもさらに硬度が低めの水が多いことがわかる。そして軟水の特性として、「食品へよく浸透し、成分をよく抽出する」というものがある。軟水だとお茶でもかつお節でも、入れておくだけで「水出し」しやすいのだ。フルーツウォーターにした場合も、味や香りを水の中に溶け出させやすいということになる。

 では、一般的にフルーツウォーターに使う果物が、それぞれどんな栄養素を含んでいるのかを見てみよう。

◆黄色いキウイに含まれる栄養素とは?

 果物に多く含まれる栄養素としては、ビタミン、カリウム、食物繊維といったものがある。フルーツウォーター用の果物を選ぶにあたって、まずはビタミンの量から見てみたい。ビタミンは水溶性、つまり水に溶けこみやすい性質を持っているからだ。

 文部科学省で発表している「日本食品標準成分表」が参考になるので、フルーツウォーターの材料としてよく見かける果物をピックアップしてみる。

 同表では果物の食べられる部分100g中に、どのくらいの各種成分が含まれているかが一覧となっている。まずは、ビタミンCから見てみよう。すると、キウイフルーツの果肉が黄色い黄肉種が140ミリグラムと断トツで多かった。あまり一般的には水には入れないと思うが、2位の甘柿が70ミリグラムなのでダブルスコアの差をつけている。

 フルーツウォーターのスタンダードともいえるレモンは、1位のキウイと比べると意外と少なく50ミリグラム。そして、はっさくは40ミリグラム、夏ミカンは38ミリグラムと続く。沖縄名産でさわやかな酸味と香りが人気のシークワーサーはいかにもビタミンCが多そうだが、実は11ミリグラムである。

黄色いキウイにはビタミン類が多く含まれる

黄色いキウイにはビタミン類が多く含まれる

 これがビタミンB群となると、順位がまったく変わってくる。ビタミンB1を例に取ると、最も多いのはドリアンで0.33ミリグラム、次が栗の0.17ミリグラム。しかしこれらはフルーツウォーターにするにはちょっと不向きだ。ドリアンは国内では高価であるし入手もしにくいし、何より独特のニオイがある。栗は水に入れる材料としては違和感がありすぎる。さらに見ていくと、バレンシアオレンジが0.1ミリグラムでかんきつ類の中では多いことが示されている。温州ミカンも0.09ミリグラムと比較的多いほうだった。そしてビタミンCでは劣勢だったシークワーサーは、このカテゴリーでは0.08ミリグラムだった。

 皮膚の修復や神経系の働きを改善することで、美容関係で注目されているビタミンB6に目を向けてみるとバナナが0.38ミリグラムと最多だが、かんきつ類は一番多く含まれるものでもスダチの0.08ミリグラムだった。ここでもキウイの黄肉種は0.14ミリグラムと健闘している。

 こうして見てくると、栄養素がオールマイティーに含まれている果物というものはなく、得手不得手があることがわかる。ただ、ビタミンCは数十ミリグラムというそれなりの量が入っているものの、B群は非常に微量なため、参考程度と考えたほうがいいかもしれない。また、フルーツウォーターは実際、栄養をそこから補給するというより、ほんのりただよう味や香りを楽しむ側面のほうが大きいと思われるので、結局のところ「自分の好みに合っているか」を一番に考えて果物を選ぶのがよさそうだ。

「日本食品標準成分表」は一般的に公開されているデータ集なので、果物以外にもどんな食品にどのような栄養素が多いのか調べてみると意外な発見があるかもしれない。

参考:日本食品標準成分表

   
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