海外生活経験者が実感した「ウォーターサーバーのありがたみ」
水道の水を蛇口から出して気楽にそのまま飲んだり、料理に使えたりする日本。これは、水道行政が行き届いているからこそできることである。しかし、実は海外に目を向けると水事情が悪い国というのは意外と多いものなのだ。そこで今回は、海外生活経験があるウォーターサーバーユーザーたちに、水にまつわる苦労話を聞いてみた。
◆マレーシアの水になじめず…
東京都に住む34歳の島崎明代さん(仮名)は昨年4月までの2年間、ご主人の仕事の都合でマレーシアに住んでいた。
「子どももいないので、夫の会社の転勤に私もついて行きました。長く滞在するため、事前に現地の治安や政情に加え、水や食料についてもかなり調べました。そのとき驚いたのは、世界で水道水が安全に飲める国というのは十数か国しかないということです。マレーシアも水に注意すべき国でした」
水に対する注意喚起は、外務省のみならず国土交通省からも各国の調査結果が発表されている。国土交通省の『日本の水資源』という報告書によると、水道水をそのまま飲める国は日本以外ではヨーロッパと南アフリカの一部など、ごく限られているのが現状だ。
「現地では、水道の蛇口に日本製のろ過器を取り付けていました。さらに煮沸してから飲むようにしていたんです。海外では病気になることが一番怖いですから。それで、安全に飲むことは可能になったんですが、水の味自体はクセがあっておいしいとはいえず、お茶やコーヒーにして飲むことのほうが多かったですね」
東南アジアでは水質が悪い国も少なくない
島崎さんは帰国後にすぐ、天然水のウォーターサーバーを注文したとのこと。
「安全でおいしい水に飢えていたんでしょう。当たり前のように水が飲める日本という国のありがたみをあらためて感じました。後で知ったことですが、マレーシアの水はかなりの硬水だそうなんです。だから水の味にクセがあったんですね」
水の硬度は、含まれるマグネシウムとカルシウムの量で決まる。含有量が多いとミネラルの味が強くなる。この味が好きという人もいるが、日本の水は全国的に硬度が低いため、多くの日本人の舌になじんでいるのは軟水なのだ。
島崎さんは「スッキリ飲める日本の水がやっぱり一番」と、今はウォーターサーバーの水を毎日愛飲しているという。
◆中国で水質に悩まされ…
40歳の小森孝明さん(仮名)は、中国に行ったときにウォーターサーバーが恋しくなったと話す。
「3年ほど前からウォーターサーバーを愛用していました。マラソンをしたりスポーツジムにも通ったりしているので、おいしい水が手元にあったほうがいいと考えて導入したんです。ところが先日、中国の地方の都市に2週間ほど出張で滞在することになったんです」
海外では、生水は飲まないようにしようと考えた小森さん。飲み水は信頼できる店で、ミネラルウォーターを買うことにしたという。
「それでもちょっと参ったなと思ったのは、私が滞在していた場所の近くから微量の化学物質が検出されたという通達が回ってきたことです。健康を害するようなことはないとのことだったんですが、極力、水道水は口にしないように注意しました」
海外では口にする水に注意したい
小森さんはシャワーのときも、水が口に入らないように気をつけたり、うがいにもミネラルウォーターを使ったりしたとのこと。
「帰国して自宅に戻ると、着替えもせずウォーターサーバーの水を飲みました。間違いなく、人生で『水がおいしく感じた瞬間ベスト5』に入りますね(笑い)」
◆ニューヨークでニオイに困り…
数年前に、アメリカのニューヨークに3か月間出張で滞在したという39歳のサラリーマン、本田浩二郎さん(仮名)。自宅では、ウォーターサーバーを半年ほど前から使っている。
「向こうでは、古いアパートメントに滞在していました。相当の年数が経過しているせいか、水道水がサビのような鉄臭いようなニオイがしたんですよ。配管が傷んでいたのでしょう。当然、飲み水にはならないのでミネラルウォーターを買い、それを歯磨きにも使っていました。シャワーは仕方ありませんが、できれば浴びたくないほどでしたね」
水のニオイが気になった本田さんは、週に2~3回スポーツジムに通って、そこのシャワーを利用していたそうだ。それほど、滞在場所の水環境は悪かったのだ。
「日本も都市部の水道水は『カルキ臭い』なんていわれますが、あのアパートに比べればよほどちゃんとした水だと思いましたね。滞在先を選んだ会社をうらみました(笑い)。毎日の飲料として買っていたミネラルウォーターも決しておいしいとは思えず、仕方なしに飲んでいたんです。ボクは生まれ育ちが島根県で、水の硬度が特に低いため、ミネラル分の多い水は飲みつけていなかったんですね」
古い建物では配管のサビが問題になることも
帰国してから、あらためて水のありがたさに気づかされたという本田さん。
「ウォーターサーバーを使うようになったのは、アメリカで水に苦労したことも一つの理由かなと思っています。日本でも集合住宅の古い配管で水がまずくなることがあるそうですから、そんなときはウォーターサーバーがオススメですよ」
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現在、私たちが利用できるウォーターサーバーの水は、基本的に国内で採取されたものが多い。また、ろ過や加熱などにより安全性が高いだけでなく、ミネラル分のバランスも良好で、味もまろやか。もちろん日本の水道水も安全で、日々の使用にはなんの問題もない。しかし、海外で水に苦労したことのある人にとっては、おいしい水がいつでも好きなだけ飲めるウォーターサーバーのメリットは、とりわけ大きく感じるようだ。