ウォーターサーバーを徹底比較!

おいしい水は郷土の誇り! 日本の豊かな天然水を守っているのは地元愛だった

おいしい水は郷土の誇り! 日本の豊かな天然水を守っているのは地元愛だった

 ウォーターサーバーで提供されている水の多くは、地下水をくみ上げて利用している。数10メートルから数100メートルといった地下深くは地上環境の影響を受けにくいため、基本的に安全でクリーンではあるが、何も対策をしないでいいというものではない。地下水資源を守るために、自治体によっては保護条例を設けているところがある。そこで今回は、ウォーターサーバーの天然水の生命線ともいえる水質保全について調べてみた。

コスモウォーター

◆天然水の産地全国1位は…?

 日本は山林が国土の6割もあり降雨量も多いため、世界でも有数の天然水資源に恵まれた国の一つだ。降った雨は数十年という年月を経て地層によってろ過され、キレイな地下水となる。各種の調査で、全国に地下水脈が多く存在することもわかっている。温泉の多くは、地下水脈がマグマなどによって熱せられて生成される。全国各地に温泉場があるのは、地下水がそれだけ豊富に存在することの証しでもある。

 水道水は川や湖、ダムといった地表の水を浄化して使っていることが多いが、ウォーターサーバーや市販のミネラルウォーターの水は、地下水をくみ上げて精製しているケースがほとんどだ。100メートル以上の深い井戸を掘って採水しているメーカーも多く、中には1000メートルという超深井戸もあるほど。

 そうして採取される天然水には、人気の産地がある。名水といわれる水源は全国各地にあるが、では都道府県別で一番、ミネラルウォーターを産出しているのはどこなのだろうか? 実はそれは、山梨県であることが「日本ミネラルウォーター協会」の調べでわかっている。その量は2018年では149万キロリットルで、割合にすると国内の40%が山梨産になるという。

 ウォーターサーバーに利用されている水の銘柄で、山梨県産のものを調べてみると、「サントリー南アルプスの天然水」、「フレシャス富士」、「プレミアムウォーター」、「マーキュロップ」などがある。富士山や南アルプスといった雄大な山々が、良質で豊富な地下水を生みだしているのだ。

南アルプスを望む山梨県はミネラルウォーターの一大産地

南アルプスを望む山梨県はミネラルウォーターの一大産地

 山梨県の地下水保全に関する条例を見てみると、県が「山梨県地下水及び水源地域の保全に関する条例」を出していることに始まり、富士吉田市、北杜市、昭和町、忍野村など10の市町村が独自の条例を制定している。

 県では特に、水の採取量について厳しく監視しており、地下水の適正な採取や採取量の定期報告、枯渇しないようにする努力義務などのガイドラインを示している。市町村で特に地下水保護に強い姿勢を打ち出しているのは中央市。「市民の責務」として、「地下水の節水に努めるとともに地下水保護対策に協力するものとする」という条文がある。企業だけでなく、地元住民一丸となって、山梨のおいしい水を守っていこうという姿勢がうかがえる。

 ミネラルウォーター産出県の第2位は、静岡県の57万7000キロリットル。国内総生産の15.8%にあたる。ウォーターサーバーでは「うるのん」、「コスモウォーター」、「フレシャス 朝霧高原」が、静岡県の地下水を使っている。中でも富士山系の水は、飲みやすいミネラルバランスに加え、バナジウムという人体に有用なミネラルが多く含まれているため人気が高い。

 静岡県も、「静岡県地下水の採取に関する条例」を1977年に制定。以下、富士宮市、富士市、伊豆市などの5市に条例がある。特に富士宮市では、「富士宮市自然環境の保全及び育成に関する条例」と「富士宮市地下水の保全及び利用に関する指導要綱」が定められている。自然環境保護については希少野生動植物の保護、樹木の保存といったことにも細かいきまりがある。つまり、地下だけでなくトータルに環境を守っていこうということだ。いまくみ上げている水が問題なくとも、地表が汚染されたら数十年後には地下水に何らかの影響が出る可能性がある。そういう意味ではまさに、長期的な視点に立った環境保全への取り組みといえるだろう。

◆条例制定市町村が日本一多いのは…?

 ミネラルウォーター産地の第3位は、37万6700キロリットルの鳥取県。ウォーターサーバー用の水としてはメジャーではないが、中国地方を代表する山である大山山系がクリーンで飲みやすい水をもたらすということで、大手飲料メーカーが採水地を設けるなど「名水県」なのである。当然、県でも「とっとりの豊かで良質な地下水の保全及び持続的な利用に関する条例」を制定しているほか、大山町、江府(こうふ)町、伯耆(ほうき)町など6町に条例がある。特に江府町と伯耆町は良質の水が出ることで知られていて、保全に積極的なのもうなずける。

長野県には保全条例を定めた市町村が日本一多い

長野県には保全条例を定めた市町村が日本一多い

 また、ミネラルウォーターの産出量としてはそれほど多くないが、長野県は「アルピナウォーター」「信濃湧水」「フレシャス木曽」といったウォーターサーバー用のブランド水の故郷。同県には、なんと53の市町村に地下水保全に関する条例がある。制定自治体の数では日本一だ。同県は「日本の屋根」「太平洋と日本海の分水嶺」といわれるだけに、山々の恵である水に対しても意識が高いということなのかもしれない。

 日常、何気なく飲んでいるウォーターサーバーの水。安全・安心でおいしい水は、手放しでは守っていけない。採水地の人々の環境保全への努力に思いをはせると、いっそう水が味わい深くなるのではないだろうか。

   
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