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スッキリ、まろやか、硬い… 「水の味」はどこで決まる?-軟水と硬水の味の違い-

スッキリ、まろやか、硬い… 「水の味」はどこで決まる?

「スッキリとおいしい水だ」、「味がまろやか」などと、水の味について表現することがある。といっても、そもそもは塩も砂糖も入っていないただの水。どこがどう違うというのだろうか? 暑いときや運動の後で飲むから「おいしい」と感じる、感覚的なものではないのだろうか…? そこで今回は、「水の味」の根拠についていろいろ探っていきたい。

コスモウォーター

◆日本の水にはミネラル分が少ない!?

 まず、水は何でできているか考えてみよう。化学式としては、かの有名な「H2O」で、これは水素分子に酸素分子が2つくっついていることを表す。ただこれは、100%純粋な水である場合だ。私たちが日常触れている水には、実はさまざまな物質が溶け込んでいる。その代表的なものが「ミネラル」だ。そして、このミネラルこそが水の味を左右する大きな要素と考えられる。

 一般的な水に含まれているミネラルは、マグネシウム、カルシウム、カリウム、ケイ素、鉄など。さらに、ウォーターサーバーの「プレミアムウォーター」「富士桜命水」などの採水地がある富士山麓では、バナジウムというミネラルが含まれることが多い。

 これらミネラル分の中でも特に、マグネシウムとカルシウムは完全な純水以外のほとんどの水に含まれているといっていい。これらが水1リットル中にどれだけ入っているかを表すのが「硬度」。100ミリグラム入っていれば「硬度100」といった言い方をする。そして、ミネラルの含有量が多いのが硬水、少ないのが軟水ということになる。WHO(世界保健機関)では120ミリグラム以上を硬水、それより少ないものを軟水としているが、国によっては100ミリグラム以上など別の値を基準にしていることがある。いずれにしろ数値が高いほど「硬い水」となるわけだ。

 一般的に日本の水は軟水が多く、ヨーロッパは硬水を多く産出する。その理由は、地質と地形によることがこれまでの多くの調査でわかってきている。火山国である日本の地層は火成岩(マグマが冷えて固まってできた岩石)が多い。これはミネラルをあまり多く含まない性質の岩石。さらに狭い国土に高い山がそびえているため、水は速いスピードで山から駆け下る。つまり、地層のミネラル成分がじっくり含まれるだけの時間的余裕がないということだ。

参照:飲料水水質ガイドライン|WHO(世界保健機関)

地質と地形によって水の硬度が決まることも

地質と地形によって水の硬度が決まることも

 一方、ヨーロッパの地層は堆積岩(風化した岩石が堆積されてできたもの)が多い。また堆積岩の一種で、カルシウムを含む石灰岩質の地層も広がっている。それに加え地形が急峻でないことから、水はゆっくり流れながらミネラルを吸収していく。日本でも有名な、フランス産のミネラルウォーター「エビアン」の硬度は300もある。

◆ウォーターサーバー各社の「水の味」の定義は?

 このミネラルには、味があるといわれている。特にカルシウムについてはアメリカでの研究で、舌にカルシウム味を感じる受容体がある可能性があるため苦みと酸味が混ざったようなものとされている。また、マグネシウムに関しては、渋みのような味といわれている。ただ水の中に溶け込む場合、相当大量に入っていないとそうした味は反映されないため、硬度の高い水は「しっかりした味」「重みがある」「硬い水」などといった、感覚的な表現をされることが多い。

 水の味についてはウォーターサーバー各社で解説していたりするので、次はそれをもとに分析してみよう。

うるのん」では「軟水は、まろやかで口当たりがよくさっぱりした味わい」、硬水は「しっかりとした風味が味わえる反面、『苦い』と感じてしまう場合も」とのこと。ただ、ミネラル成分が非常に少ないと飲み応えのない味となるとも。同社の「富士の天然水 さらり」は軟水なので、スッキリと飲みやすい特長があるという。

軟水のほうがスッキリまろやか?

軟水のほうがスッキリまろやか?

 炭酸水を作ることができるサーバーが特長的な「キララ」では、硬水と軟水の味に関する違いについて、「一般に軟水はクセが少なくまろやかな口当たりで、料理にも飲用にも適しています。硬水は硬度が高くなるほど苦みなどのクセが強くなり、和食には不向きです」と説明している。ただ料理に関しては、「硬水には肉を柔らかくする効果があるため、洋風の煮込み料理などには最適」とも。

 軟水が和食に向いているのは、科学的にも証明されている。本コラムの過去の記事「創業300年の老舗の技! おいしいだしを取る水の選び方」では、かつお節の老舗「にんべん」に、軟水がなぜだしを取るのに向いているかをくわしく解説してもらっている。

 また、「日田天領水」」によると、「ヨーロッパのミネラルウォーターには硬水が多く味の感じ方は人によって異なりますが、一般的に口当たりについて『重い』や『硬い』といった表現をする人が多い」とのこと。そして、「日本のミネラルウォーターは軟水が多く、『マイルド』や『まろやか』な口当たりとなります」と、表現している。

 水のプロフェッショナルであるウォーターサーバー各社のこうしたコメントと、ミネラルに関する味の研究を総合してみると、軟水は「まろやかでスッキリした味」ということになりそうだ。ミネラルの量が多くなければ、独特の渋みや苦みを感じることもないということだろう。

 現在飲んでいる水がミネラルの味が強くどうも気になるという人がいたら、より硬度の低い水を使っているウォーターサーバーを選ぶといいだろう。日本のウォーターサーバーメーカーの多くは硬度30~50前後の水を提供しているが、中には10を切る超軟水もある。より自分の味覚に合った水を探すのも、ウォーターサーバーユーザーの楽しみの一つではないだろうか。

   
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