緊急アンケート!「防災用の水のストックどうしてますか?」
9月は防災月間。1923年9月1日に関東大震災が起こったことから、政府はこの月を防災についての強化月間にして啓蒙活動を続けてきた。しかし、地震、火災、津波、洪水、火山の噴火…など災害はいつやってくるかわからない。大規模災害で水道、電気、ガスなどのライフラインが分断されたときに、一番大切なのはやはり「水」。そこで、個々の家庭での災害対策と水について、無作為に選んだ18人を対象に聞き取り調査を行った。
◆災害時の対策として手軽な「ペットボトル」
内閣府の調べでは、防災のための飲料水を確保してあるという人は約半数、風呂の水を溜めておくという人は4人に1人といった結果がある。特に東日本大震災の前と後では意識に大きな変化が見られ、災害時の水対策を行っている人は大幅に増加した。そうした状況を踏まえて、簡単なアンケートを取ってみた。
まず1問目は「災害時の水への備えをどうしていますか?」という質問。答えは以下のグラフの通り。もっとも多かったのは、ペットボトルの水を災害用に備えているという回答だ。これは理由として「入手がしやすい」「非常持ち出しバッグに入れておける」といった点をあげる人が多かった。実際、ホームセンターなどに行くと「災害用品コーナー」に、ペットボトルの水が山積みされているし、企業でも災害時の飲料水としてペットボトルの水を確保しているケースは少なくない。
次に多かったのが「何もしていない」人で、なんと3割以上に上った。理由は「忙しさで用意する暇がない」「つい忘れてしまう」など。ただ、たまたま用意していないだけで防災意識は持っているため、今後は何らかの形で水の備蓄をしておくということだった。
ウォーターサーバーを災害時の水として使うという人は、すでに家庭に導入している人たちだった。10リットル、20リットルといった大量の水のタンクが日常的に手元にあるため「災害時でも飲み水については心配していない」「家族が3人以上の家庭では、ペットボトルよりいいのではないか」とのことだった。また、「ペットボトルの場合は消費期限が来る前に買い換えないといけないが、ウォーターサーバーの水は毎日使って頻繁に替えのボトルを届けてもらっているから、常に新しい水がある」という意見もあった。
防災グッズとともに水の備蓄は重要
◆家族の人数や季節で備える水の量も変動?
次に「最低何日分の水を確保したい?」という質問を行った。ほとんどが「3日分」という回答。理由としては「3日も待てば、何らかの救援が来るだろう」「2日程度でもいいと思うが、余裕を持って3日」といった回答があった。
しかし「家族が多いので2~3日となると、かなりの量の水が必要」「猛暑のときなどは、1日どのくらいの水が必要か想像もつかない」という意見もあった。日ごろから、水を節約して飲んだ場合、家族1人あたりどのくらいの量が必要かをシミュレーションしておくといいのかもしれない。
災害時、救援が来るまでの水は確保しておきたい
◆備蓄量が多いウォーターサーバーに注目も
最後の質問として「災害時の水対策として何が有効か」を聞いてみた。選択肢は「ウォーターサーバー、ペットボトル、くみ置き、浄水器」の4つ。ここでの「浄水器」は、防災用品やサバイバル用品コーナーなどで売られている、雨水や汚れた水をろ過する携帯型のタイプだ。
その結果は下のグラフの通り。ウォーターサーバーが5割を占めた。理由としては「大量の水をストックしておける」「家族が多くても安心」といった量的なメリットが注目された。また「電気が生きていればすぐにお湯が出せる」「空になったボトルを給水車からもらう水のタンクとして使えそう」という意見もあった。現在、ウォーターサーバーを利用していない人も、これらの長所を認めていた。
38%で2位のペットボトルは、「避難するときの携帯に便利」「入手がしやすい」「その都度開封するから日持ちがいいと思う」という声が、支持する理由としてあがった。1本あたりにストックしておける水の分量はウォーターサーバーより少ないが、小回りが利くため根強い信頼感がある。
浄水器は回答者数は少なかったものの「いざとなったら、雨水でも川の水でも飲める」という特長が評価ポイント。殺菌剤がセットになり、より安全な水を作れる浄水器もある。ライフラインの復旧が困難をきわめる甚大な災害時に、生きのびるための水を確保するには有効なアイテムだろう。ただし化学物質などの毒物が流出していた場合はろ過しきれないので、使うときは注意が必要だ。
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災害というと東日本大震災の影響で「地震」を想像しがちだが、この夏の集中豪雨を見てもわかる通り、水害や土砂災害も近年たびたび起こっている。これから台風も襲来する季節になる。いざというときに慌てないために、水の備蓄は心がけたい。ウォーターサーバーは自宅で救援を待つとき、ペットボトルは移動する必要がある場合、くみ置きした水はトイレ用など、それぞれの利点を考慮して災害の状況によって使い分けるのが賢明だ。