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【水についてもっと知りたい!】日本各地のユニークな「水の博物館」案内

【水についてもっと知りたい!】日本各地のユニークな「水の博物館」案内

 博物館には総合的な展示を行うものだけでなく、産業や宇宙、化石など特定の分野に特化した施設もいろいろある。水に関係したことを中心に扱う博物館があることは以前の記事、『【水についてもっと知りたい!】子どもと一緒に訪れたい「水の博物館」ガイド』でも紹介した。前回は東京や大阪の施設をピックアップしたが、地方に目を向けると、さらにユニークな博物館があることがわかった。そこで今回は、東日本や中部地域の水関連の博物館をご紹介する。

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◆防災センター運営の地域密着型

 岩手県一関市にあるのは、「北上川学習交流館 あいぽーと」。岩手県内を流れ、東北地方最大の川である北上川に関する博物館で、国土交通省一関防災センターに併設されている。3階建てで、1階には北上川の流域や歴史に関する展示と資料が並ぶ。特長は、床に縦20メートル、横6メートルの北上川流域の航空写真があり、台風の被害や洪水の浸水状況などがわかること。さすが、災害対策の専門機関である防災センターが運営しているだけのことはある。当然、東日本大震災についても言及されている。

 2階は集中管理センターと、国土交通省一関出張所。3階は展望台となっていて、360度を見渡すことができる。近くには北上川の支流である磐井川が流れている。他であまり見られないものとしては、防災センターの「Xバンドレーダー」がある。「Xバンド」というマイクロ波で気象を観測する高性能レーダーで、従来レーダーの5分の1程度の時間で処理が可能だ。これは、ゲリラ豪雨の予報にも役立つという

 北上川の良質な水がいかにして作られ、歴史と文化を育んできたかだけでなく、水害や津波といった災害についてもしっかりとした知識を得ることは大切なことだろう。入館は無料。

北上川は東北最大の河川

北上川は東北最大の河川

◆荒川について五感で学ぶ

 埼玉県の内陸部に位置する寄居町にあるのは「埼玉県立 川の博物館」、愛称は「かわはく」。ここで扱う川とは、長野県や山梨県との県境にそびえ立つ甲武信ヶ岳(こぶしがたけ)を源流とし、埼玉県から東京都を貫き東京湾へ注ぐ「荒川」だ。博物館も荒川のほとりにある。河川の環境問題を身近に感じ、学んでもらうため、楽しみながら学べる体験型博物館となっている。

 ここで、荒川について視覚と体全体で感じることができる展示が「アドベンチャーシアター」。大画面に連動して座席が動くバーチャルシアターで、荒川を下る映像とともに川の成り立ちや生き物についてなど、多くのことを知ることができる。その他、タッチパネル式のモニターで川や水について学べるコーナーなどもあるが、面白いのは屋外に設置された水の遊具を使った体感イベント「荒川わくわくランド」だ。

 水上アスレチックコースになっていて遊園地のようだが、ここで遊ぶことによって流力、浮力、圧力、抵抗といった、水の化学的性質の体験学習ができる。

 入場料金は、一般410円、大学・高校生200円、中学生以下は無料。ここから少し上流へ行くと、カヌーや川下りの名所である長瀞(ながとろ)町がある。週末の釣りや川でのレジャーのついでに、博物館見学も楽しんでみてはいかがだろうか。

◆地域そのものが展示物

 そうした水の博物館の中で、特にユニークなのが、富山県黒部市の「みずはく」だ。「水の博物館」を略した名前だが、この博物館には展示をするための建物がない。同県東部の「新川地域」と呼ばれるエリア全体が博物館であり展示物という、「フィールドミュージアム(野外博物館)」というコンセプトを採用しているのだ。そのモットーは「フィールドへ行こう! フィールドを知ろう! フィールドを伝えよう!」とのこと。体験型学習で、地域を歩いたり現地調査を行ったりしながら五感をフルに使って、水や川、土地の構造や歴史、文化を学んでいくわけだ。

 新川地域の中心を流れているのは黒部川。はるか上流には、かの有名な「黒部ダム」がある。新川地域は富山湾の河口に近づくに従って、扇のような地形「扇状地」を形成している。扇の端にあたる地点には、豊富な湧水地帯があり、全国名水百選にも指定されている。黒部川の水や立山連峰に降った雨や雪が地下水となったものが、地上に現れ湧水となるという。

黒部川の上流の巨大ダム「黒部第四ダム」

黒部川の上流の巨大ダム「黒部第四ダム」

 実際、黒部の水は「黒部のめぐみ」や「黒部の氷筍水」という、ご当地ミネラルウォーターとしても人気を博している。黒部川の源流は長野県とも接する北アルプス。ウォーターサーバーでは「プレミアムウォーター」や「アルピナウォーター」の採水地としてもおなじみだ。

     

 ところで、「みずはく」は、形としての博物館はないが、核となる施設はある。富山湾に面した黒部川河口に立つ「黒部市吉田科学館」がそれだ。展示物の目玉はプラネタリウムだが、宇宙だけでなく山や海の話、そして水にまつわるイベントも行っている。同科学館の入館料は無料で、プラネタリウムだけ観覧料がかかる。一般300円、高校・大学生150円、中学生以下は無料。野外博物館である新川地域を歩き回る前に、基礎知識を得るために立ち寄るといいだろう。日本の屋根のような高山の小さな源流から、巨大なダムを経由し、扇状地を作りながら富山湾へと流れる黒部川の雄大さに、肌で触れてみよう。

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 今回は、東日本と中部地方から水や川に特化した博物館をご紹介したが、国内にはまだまださまざまな施設がある。次回はさらにエリアを広げて、水についてもっと知るための施設をご紹介しよう。

   
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